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ポルシェ最強最速のミッドシップロードスター、『718スパイダー』に「RS」…欧州で発表
ポルシェは5月10日、オープン2シータースポーツカーの『718スパイダー』の軽量高性能モデル、『718スパイダーRS』(Porsche 718 Spyder RS)欧州で発表した。ポルシェ史上、最強最速のミッドシップロードスターになるという。
◆911 GT3譲りの4.0リットル自然吸気ボクサー6は500hp
ポルシェ『911 GT3』に搭載された自然吸気の6気筒ボクサーエンジンが、初めてオープントップのミッドシップスポーツカーに搭載された。高回転型設計の軽量パワーユニットは、レーシングカーの「911 GT3カップ」にも搭載されている。
718スパイダーRSのパワートレインは、クーペの『718ケイマンGT4 RS』と共通だ。4.0リットル水平対向6気筒ガソリン自然吸気エンジンは、最大出力500hp/9000rpmを発生する。最大トルクは45.9kgmを引き出す。ベース車両の718スパイダーと比較すると、最大出力は80hp強化された。
718スパイダーRSには、デュアルクラッチの7速PDKを組み合わせる。ショートレシオの7速PDKトランスミッションによって、0~100km/h加速は3.4秒で駆け抜ける。0~200km/h加速は10.9秒。ベース車両の718スパイダーと比較すると、0~100km/h加速は0.5秒短縮。最高速は300km/hから308km/hに引き上げられている。
◆車両重量は1410kgで718スパイダーよりも40kg軽い
718スパイダーRSの車両重量は1410kg。PDK搭載の718スパイダーよりも40kg軽く、クーペの718ケイマンGT4 RSよりも5kg軽い。
718スパイダーRSのフロントボンネットはCFRP(カーボンファイバー強化プラスチック)製だ。バンパー上部に広いエアアウトレットを持つ。2つのNACAダクトは、空力性能に影響を与えることなく、ブレーキ冷却性能を引き上げる効果を発揮するという。
バンパーの外側にはサイドブレードを設け、ダウンフォースを増加させている。フロントリップスポイラーは、718ケイマンGT4 RSより少し短い。これは、大型リアウィングが付かない718スパイダーRSの空力バランスを取るための変更という。718スパイダーRSでは、ウイングの代わりに、ダックテールのようなリアスポイラーが装備される。
◆手動操作で開閉の軽量ソフトトップ
718スパイダーRSには、手動操作で開閉する軽量ソフトトップが装備されている。コンパクト設計のソフトトップには、「サンセイル」とウェザーディフレクターの2つのパーツで構成されている。どちらも取り外し可能で、車内に収納することができる。
サンセイルは単独で「ビミニトップ」として使用することもでき、乗員を強い日差しから保護する。ウェザーディフレクターと合わせて、サイドウィンドウを上げれば、雨の侵入を防ぐことができる幌になる。ルーフ全体の重量は、18.3kg。これは718スパイダーより7.6kg、『718ボクスター』より16.5kg軽い。
718 スパイダーRSの軽量マニュアルソフトトップルーフは、エンジンサウンドをより魅力的に演出する、と自負する。標準装備の軽量ステンレス製スポーツエキゾーストシステムと、ヘッドレストのプロセスエアインレットが、その効果をさらに高めている。
◆ワインディングロード向けのスポーツサスペンション
718スパイダーRSのシャシーは、ワインディングロードでドライビングプレジャーを得られるよう設計されている。スポーツチューニングを施した「ポルシェ・アクティブ・サスペンション・マネージメント(PASM)」を標準装備し、車高は30mmローダウンした。
また、機械式LSDを備えた「ポルシェ・トルク・ベクタリング(PTV)」、ボールジョイント式サスペンションベアリング、20インチ鍛造アルミホイールも装備している。
車高、キャンバー、スタビライザーは、個別に調整することが可能。718ケイマンGT4 RSと比較すると、スプリングとダンパーのレートが引き下げられており、よりリラックスした乗り心地を実現しているという。