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中国での電動化事業を加速させるホンダ、2035年までにEV販売比率100%…上海モーターショー2023
ホンダは、上海モーターショー2023に出展し、電動化事業およびその商品投入を加速させると宣言した。本田技研工業の副社長である青山真二氏はプレスカンファレンスにて「ホンダは中国市場において、2輪、4輪、汎用動力製品などの全ての分野で電動化を加速させる」「自動車分野では、2027年までに10のホンダブランドEVを投入。2035年までにEVの販売比率を100%実現する。中国で蓄積した知識と経験は、ホンダの世界の電動化にエネルギーを与える」と述べ、これまでの「グローバルで2040年までにEVとFCVの販売比率を100%実現」という目標を5年前倒しすることになる。
今回、ホンダは電動車「e:N」シリーズを積極的に展開し、中国向けEV『e:NP2』プロトタイプと『e:NS2』プロトタイプを世界初公開した。e:NP2は広州汽車と合弁の広汽ホンダで、e:NS2は東風汽車との東風ホンダで生産され、2024年初頭の発売を目指す。外観は、プロトタイプとネーミングしている通り、市販車に近い最終段階のデザインであると思われ、両車ともに「『新ジャンルのEV』を開発目標とし、SUVの全機能とセダンの快適さを融合させた」(会場内スタッフの説明)という。
2024年内に発売を計画しているコンセプトモデルの『e:N SUV序』はBEV専用の「e:N Architecture W」を採用し、次世代の「Honda CONNECT 4.0」などのインテリジェント技術と融合して、今後のe:Nシリーズを構成していく。さらに、2025年以降に発売を計画する『e:N GT Concept』も公表され、e:Nシリーズのラインナップをさらに拡充していく。
また、こうしたコネクティッド・インテリジェント技術は、ホンダの得意分野として訴求を強化する。モーターショー会場では次世代の「智導相互接続・Honda CONNECT 4.0」と「安全超感・Honda SENSING 360」の体験コーナーを設置した。「智導相互接続・Honda CONNECT 4.0」は、「周囲環境のモニタリング」「車内乗員の見守り」「車両状態の診断」の3方向から、「事前に感知し、事前に見守り、運転を危険から遠ざける」安全で安心な運転体験を実現するというもの。このシステムは顔認識によって個人専用のコクピット配置を自動的に合わせることができる。先進的な安全運転支援システムである「安全超感・Honda SENSING 360」は、前面カメラと5つのミリ波レーダーを通じて、車両の周囲360度への誘導、監視と識別精度の大幅な向上を実現し、高度化された安全運転支援機能を備えた。特に、交差点などの複雑な交通環境における事故回避能力を強化し、事故リスクを効果的に低減させた。
このほかの既存モデルについても、モーターショー会場では「電動化専門店」(同)を参考にしたブースのデザインが採用されたという。例えば、既存の『アコード』についても、「e:N PHEV 強電智混」システムを搭載し初めて同モデルを展示した。展示車両は白色に、コンセプトモデルの黒色とはっきり区別したブース内配置となっている。
さらに、ホンダは2輪車についても中国事業を強化している。今回、会場内には『Cub e:(ホンダ・カブ・イー)』『Dax e:(ダックス・イー)』『ZOOMER e:(ズーマー・イー)』の3種類の電動2輪車が展示された。青山真二氏は、「2輪車のパイオニア的なメーカーとして、今後、ホンダは新たな電動2輪を投入し、ラインナップを拡充していく。これまで通り、お客様に『運転の楽しさ』をベースとした新たな体験価値を提供し、業界を前進させていきたい」と述べている。
ホンダは「2050年にカーボンニュートラルの実現」というグローバルでの目標を掲げている通り、自社の活動と得意な製品分野を通じての実現を目指すとともに、「事故ゼロの交通社会」の早期実現に向けても積極的に取り組んでいる。