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マセラティ『MC20』に「GT2」、市販車譲りのV6ツインターボ搭載…6月公式発表へ

  • 《photo by Maserati》
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マセラティ(Maserati)は、新型スーパーカー『MC20』をベースにしたレーシングカー「MC20 GT2」を6月末、ベルギーで開催されるスパ24時間レースで公式発表する。2023年シーズンの「GT2ヨーロッパシリーズ選手権」に参戦する予定だ。

◆「ネットゥーノ」エンジンは市販車で最大出力630psを発生
MC20 GT2は、クラス最高のスペックを備えたMC20の公道モデルをベースとしたレーシングカーだ。MC20は、開発の初期段階から、モータースポーツへの参戦を前提に設計されていた。マセラティはモータースポーツに参戦する顧客とチームに、MC20 GT2を販売する予定だ。

ミッドシップには、3.0リットルV型6気筒ガソリンツインターボエンジンを搭載する。「ネットゥーノ」(Nettuno、ネプチューン)と命名されたこのエンジンは、市販車の場合、最大出力630ps/7500rpm、最大トルク74.4kgm/3000~5500rpmを引き出す。

ネットゥーノには、「マセラティ・ツイン・コンバスチョン(MTC)」を搭載する。「TJI(デュアルコンバスチョンコントロール)」やドライサンプも採用。マセラティによると、MC20 GT2にもネットゥーノV6エンジンが継承されており、より高いレベルに引き上げているという。

◆セミバーチャル・ステアリングアクシスを備えたダブルウィッシュボーンサス
マセラティのGT選手権への復帰は、2004年から2010年にわたるFIA GT選手権における『MC12』の複数のタイトルという輝かしい実績を受け継ぐものだ。これからのマセラティ新時代の幕開けへの懸け橋になるという。

マセラティのモータースポーツ部門の「マセラティ・コルセ」が手がけたMC12は、スパ・フランコルシャン24時間レースにおいて、2005年、2006年、2008年に3回優勝するなど、レーシングヒストリーに刻まれた輝かしい実績をもたらした。再びMC20がマセラティブランドの新時代を牽引していく。

MC20 GT2には、セミバーチャル・ステアリングアクシスを備えたダブルウィッシュボーンサスペンションや、カーボンファイバー製モノコックを採用している。

◆調整式リアウイングなどのエアロパーツを追加
MC20 GT2は、FIA(国際自動車連盟)のレースセーフティ要件に準拠している。FIAホモロゲーションの120リットルのFT3燃料タンク、FIA仕様の消火器を搭載する。シャシーは、軽量なカーボンファイバー製センターモノコック。FIA公認ロールケージや、3/4オンボードニューマチックジャッキを採用する。

トランスミッションは、パドルシフト付きの6速2WDシーケンシャルレーシングギアボックス。レーシングクラッチとメカニカルリミテッドスリップセルフロッキングデフを組み合わせる。

MC20のボディには、エアロダイナミクス性能を高めるレーシングエアロパーツが追加された。マルチアジャスタブルリアウィングが、強力なダウンフォースを生み出す。LEDフロントライト、FIA公認のレインライト、レキサン製フロント&サイドウィンドウも装備している。

◆カーボン製マルチファンクションステアリングホイール
ブレーキは、 レーシングキャリパーとベンチレーテッドレーシングブレーキ、特注のブレーキクーリングで強化された。足元には、セントラルロック式の特注の18インチ鍛造アルミホイールを装備する。スリックタイヤを履く。サスペンションは、セミバーチャル・ダブルウィッシュボーン(ステアリングアクシス)、アジャスタブル式レーシングダンパー、アジャスタブル式フロント&リアアンチロールバーを採用している。

インテリアは、レーシングペダルとステアリングコラムを調整式とした。6点式レーシングシートベルト、カーボンファイバー製マルチファンクションステアリングホイール、データ収集システム、アジャスタブルレーシングABSとトラクションコントロールを装備した。

オプションで、リアカメラディスプレイ、動画撮影用カメラ、ドライビング・パフォーマンス・オプティマイゼーション・ディスプレイ、タイヤ空気圧監視システムを装着できる、としている。