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VW『ID.3』改良新型、内外装をアップデート…欧州発表
フォルクスワーゲンは3月1日、コンパクトEV『ID.3』(Volkswagen ID.3)の改良新型を欧州で発表した。
ID.3はフォルクスワーゲンの新世代EV「ID.」ファミリーの最初のモデルとして、2020年7月に欧州市場で発売された。欧州デビューから約3年となる今回、初の本格改良を受けて、改良新型が登場した。この改良新型は、日本市場に導入される可能性もある。
◆新しい前後デザインを採用
フォルクスワーゲンは顧客の声に耳を傾け、顧客の意見の多くを改良新型に反映させた。高品質で部分的に持続可能な素材をインテリアに採用しながら、品質とデザインを次のレベルに引き上げることを目指している。
改良新型のエクステリアは、シャープなデザインとし、エアロダイナミクス性能も引き上げられた。新しいフロントバンパーは、開口部が最適化され、冷却性能を追求する。ヘッドライトも新デザイン。フロントガラスの下の黒いストリップを廃止して、ボンネットが長く見えるようにしたのも特長だ。「エアカーテン」と呼ばれる前輪周辺の気流を改善することで、空力特性も最適化。リアには、2パーツ構成のテールライトが新たに採用されている。ボディカラーには、複数の新色がラインナップされた。そのひとつが、ダークオリビングリーンになる。
最新世代のソフトウェアも搭載する。これにより、システムのパフォーマンスが向上し、無線アップデートも可能になる。充電ケーブルが充電ステーションに差し込まれると、車両がそれ自体を認証して充電プロセスを開始する「Plug & Charge」やインテリジェントなEV向けルートプランナーなどの機能を導入することにより、改良新型ID.3の充電はさらに簡単で便利になるという。
◆12インチのタッチディスプレイを標準装備
ドライバー正面の5.3インチのコンパクトなドライバーディスプレイは、マルチファンクションステアリングホイールで操作する。ダッシュボードの中央には、ナビゲーションシステム、電話機能、メディア、アシストシステム、車両の各種設定用の12インチのタッチディスプレイが標準装備された。レイアウトがより明確になり、充電メニューがタッチディスプレイの最初のレベルに配置されるようになっている。
オプションの拡張現実(AR)ヘッドアップディスプレイは、車速やナビゲーションなどの情報をフロントガラスに投影する。ドライバーにとって、この情報は車両の前方10mに存在するように見えるという。
インテリアは、ステアリングホイールのレザーを、動物由来でない素材に置き換えた。また、脱着式ラゲッジコンパートメントフロア、2つのカップホルダーを備えたセンターコンソールを標準装備している。
◆最新の先進運転支援システム
改良新型には、最新世代の先進運転支援システム(ADAS)を採用する。その一例が、オプションのスウォームデータ付き「トラベルアシスト」とメモリー機能付き「パークアシストプラス」だ。
オプションのトラベルアシストは、車両を車線内に保ち、前方の車両との車間距離を維持し、ドライバーが設定した最高速を維持する。「アダプティブレーンガイダンス」システムは、車両が車線の中央にとどまるよう支援する。最新のトラベルアシストは、ドライバーの運転スタイルに適応し、車両を車線の中央だけでなく、左や右に維持することも可能にする。
トラベルアシストには、予測クルーズコントロールとコーナリングアシスト機能が付く。走行スピードを制限速度に合わせたり、カーブやラウンドアバウトなどの道路の形状に適合させたりすることができる。
最新のトラベルアシストは、フォルクスワーゲンの他のモデルから得られた匿名化されたスウォームデータを活用する。スウォームデータを利用したトラベルアシストでは、道路の車線マークのみを頼りに、車両を車線内に保つことができる。この場合、アシスタンスシステムは、たとえば中央の車線区分線のない道路でも作動する。トラベルアシストは、スウォームデータによってさらに機能が高まり、快適さと顧客の支援レベルが向上しているという。
また、メモリー機能付きパークアシストプラスにより、車両は駐車スペースに自動駐車できるようになる。最大5つの駐車操作を、車両に学習させることが可能だ。メモリー機能は、40km/h以下の速度で、最大50mの距離をカバーする駐車手順を記憶する。これにより、車両をカーポートやガレージなどに駐車することができる。ドライバーが車両を1回駐車するだけで、駐車手順を保存。その後、学習した駐車操作を車両が繰り返す。ドライバーに求められるのは、システムを監視することだけ、としている。