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メルセデスベンツの新型商用EV、航続400km…『eスプリンター』新型を欧州発表
メルセデスベンツは2月7日、商用EV『eスプリンター』(Mercedes-Benz eSprinter)の新型を欧州で発表した。
◆新世代の電動商用車向け車台を初めて採用
eスプリンターは、メルセデスベンツの主力商用バン、『スプリンター』のEVバージョンだ。メルセデスベンツは、eスプリンターの新型に、新世代の電動商用車向け車台、「エレクトリック・バーサリティ・プラットフォーム」を初採用した。エレクトリック・バーサリティ・プラットフォームは、大型バンセグメント向けに新開発されたEVプラットフォームとなる。
新型eスプリンターは、柔軟性の高い新開発プラットフォームによって、3種類のバッテリーと複数のボディの組み合わせを可能にした。新型eスプリンターは、パネルバンやミニバンからトラックまで、ほぼすべてのビジネスシーンに適合する。この中には、4列シートのEVミニバンも含まれている。
メルセデスベンツはeスプリンター新型を、2023年後半から生産する。生産を行うのは、米国サウスカロライナ州ノースチャールストン、ドイツ・デュッセルドルフとルートヴィッヒスフェルデの3工場だ。メルセデスベンツは、電動化シフトの一環として、3工場にそれぞれ約5000万ユーロを投資している。
◆WLTPシティサイクルでは最大500kmの航続が可能
新型eスプリンターには、「eATS」 を採用した。eATSでは、効率的なモーターと電動リアアクスルという2つの新しいテクノロジーがハイライトになる。どちらもメルセデスベンツの商用EVバンに、初めて搭載されたテクノロジーだ。重量が約130kgの永久磁石同期モーター(PSM) は、高い効率と最適化された熱管理が特長。モーターは、最大出力136hpまたは204hpを引き出す。最大トルクは40.8kgmとした。
顧客は、航続や積載量に応じて、3種類の異なる蓄電容量のバッテリーから選択できる。リチウム/リン酸鉄(LFP)セルの化学的特質により、バッテリーはコバルトとニッケルを使用せず、優れた熱管理により最大の効率を可能にしているという。1回の充電での航続は、最大で400km(WLTPサイクル)。WLTPシティサイクルでは、最大500kmが可能という。
新型eスプリンターは、交流(AC)と直流(DC)の両方で充電できる。車載の充電器は、ウォールボックスなどで交流充電する際の最大出力が11kW。急速充電ステーションでは、最大出力115kWで充電できる。急速充電でバッテリーの8割の容量を充電するには、蓄電容量56kWhのバッテリーで約28分、蓄電容量113kWhのバッテリーで約42分かかる。
◆2025年以降に発表する次世代車台をすべてEV専用に
メルセデスベンツは商用EVとして、eスプリンター、『eヴィトー・パネルバン』、『eヴィトー・ツアラー』、『EQV』の4モデルを用意している。さらに、新型『eシタン』や『Tクラス』ベースの『EQT』と、EVのラインナップを拡大していく。新型eスプリンターによってメルセデスベンツは、EV市場のリーダーを目指すという戦略を強調していくという。
なお、メルセデスベンツは、2025年以降に発表する次世代車台を、すべてEV専用にする計画だ。そして、市場の状況が許せば、2030年から販売する全モデルをEVにするために、準備していく、としている。