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ポルシェのスポーツカー75周年、500馬力の『357』提案…原点「356」に敬意
ポルシェ(Porsche)は1月26日、ポルシェのスポーツカー誕生75周年に合わせて、コンセプトカー『ビジョン357』(Porsche Vision 357)をドイツ・ベルリンで初公開した。
◆最高速135km/hの性能を可能にしていた『356 No.1 ロードスター』
1948年6月8日、ポルシェの名を付した最初のスポーツカーがナンバー登録を受けた。それが、オーストリア・ケルンテン州のグミュントで製造されたポルシェ『356 No.1 ロードスター』だった。
356 No.1 ロードスターによって、フェリー・ポルシェは初めて、現代的なスポーツカーという概念を具現化したという。プロトタイプの356 No.1 ロードスターは1948年6月8日、走行準備が整い、ケルンテン州政府はこの車に特別な公道走行許可を与えた。
356 No.1 ロードスターのミッドシップには、フォルクスワーゲン製の空冷1.1リットル(1131cc)水平対向4気筒ガソリンエンジンをチューンして搭載した。最大出力は35psに高められた。車両重量は585kgに抑えられ、最高速135km/hの性能を可能にしていた。非常用のコンバーチブルトップを装備。1948年8月には、インスブルックで開催されたロードレースに出場し、その優れたスポーツ性能を証明した。その後、量産化された「356」シリーズは1965年までに、およそ7万8000台が生産されている。
◆ライト周りのデザインに進歩的な未来への先見性を表現
ポルシェはスポーツカー誕生75周年に合わせて、コンセプトカーのビジョン357を発表した。ポルシェの最初のスポーツカー、356へのオマージュだ。目標に掲げられたのは、「未来に向けて振り返るコンセプトの旅」。ベルリンで初公開されたビジョン357が、その代表的な例になるという。
ポルシェのデザイン部門の「スタイルポルシェ」は、ポルシェ356へのオマージュとなるビジョン357において、堅牢なデザインを現代に甦らせ、未来のデザインフィロソフィーを体現することを目指した。その特長といえるのが、進歩的な未来への先見性を象徴するライト周りのデザインだ。「フェリー・ポルシェの夢のスポーツカーが現在に甦るなら、どのような車になるか」。その基本コンセプトは、伝統と革新の相互作用の反映にあるという。
デザインは、創業当初からポルシェの伝説を構成する重要な要素だった。明確なビジョンを備えたコンセプトスタディモデルは、革新的なデザインの基礎を形成するという。ビジョン357は、ポルシェ356をベースにしたデザインDNAの重要性を強調している。ビジョン357は、過去、現在、未来を融合する試みであり、プロポーションは歴史的モデルを連想させ、ディテールは未来への展望を視覚化しているという。
◆パワートレインは『718ケイマンGT4 RS』がベース
パワートレインやプラットフォームは、『718ケイマンGT4 RS』がベースだ。ミッドシップに搭載される4.0リットル水平対向6気筒ガソリンエンジンは、最大出力500psを発生する。718ケイマンGT4 RSのプラットフォームをベースにすることにより、ビジョン357は、卓越したスポーツカーの性能を体現しているという。
レーシングカーの『911 GT3カップ』や市販車の『911 GT3』にも搭載されている水平対向6気筒ガソリン自然吸気エンジンは、優れたドライビングプレジャーを実現するために設計されたポルシェスポーツカーの中心的存在であり、最高回転数は9000rpmに達する。『718ケイマンGT4』の最大出力を80ps上回る718ケイマンGT4 RSのパワーウエイトレシオは2.83kg/ps。最大トルクは43.8kgmから45.9kgmへ、2.1kgm引き上げられている。