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1台限りのベントレー、名車誕生70周年を祝福…マリナーがカスタマイズ

  • 《photo by Bentley》
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ベントレーは1月25日、ラグジュアリークーペの『コンチネンタルGT アズール』新型のワンオフモデルを欧州で発表した。1952年に発売された『Rタイプコンチネンタル』の1台「JAS 949」(1953年製)をモチーフにカスタマイズを行い、同車の誕生70周年を祝福する。

◆4名乗りの2ドア高級サルーンとして当時世界最速だったRタイプコンチネンタル
Rタイプコンチネンタルは、1952年に発売された当時、4名乗りの2ドア高級サルーンとして、世界最速を誇った。この車のフロントホイールからのパワーライン、リアハンチ、ルーフラインという3つの主要なデザインラインは、2003年の初代『コンチネンタルGT』、それ以降のすべてのコンチネンタルGTのインスピレーションとなっているという。

排気量4566ccの直列6気筒エンジンの最大出力は140hpから153hpに引き上げられ、トランスミッションはファイナルドライブ比が高くなった。プロトタイプ車両は、パリ近郊のバンク付きサーキット「モンレヘリ」において、平均191.1km/h、最高で193km/hを記録した。

目標重量を達成するため、コーチビルダーの「HJマリナー」は、ボディワーク、ウィンドウフレーム、ウィンドスクリーン周囲、バックライト、シートフレーム、バンパーをアルミで製作した。2トンの車両を190km/h以上で走らせることができる標準的なロードタイヤは存在しなかったため、ダンロップ製のミディアムディスタンストラックタイヤが採用された。

◆Rタイプコンチネンタルの総生産台数は208台
最初の生産モデルは、1952年6月に納車され、1955年の生産終了までに、208台のRタイプコンチネンタルが生産された。そのうち193台は、HJマリナーによってボディが製作された。このほか、パーク・ウォードによるドロップヘッド4台、クーペ2台、フラネーによる5台、グラバーによる3台、ファリーナによる1台などがある。

JAS 949は、これまでに製造されたRタイプコンチネンタルの208台のうちの1台だ。JAS 949は1953年12月、最初のオーナーとして、スイスのローランド・グエィニン博士に引き渡された。アイボリーにレッドの内装、マニュアルギアボックスの仕様で、オリジナルの4.6リットルエンジンを搭載している。

JAS 949は、ベントレーが所有するRタイプコンチネンタルで、英国クルーのヘリテージガレージに保管されている。ベントレーは2001年にJAS 949を取得し、その歴史を大切に保存しながら、機械的にも良好な状態を維持してきた。定期的に公道で走行している。

◆実車のイメージを再現したオールドイングリッシュホワイトで塗装
新型コンチネンタルGT アズールのワンオフモデルは、マリナーがRタイプコンチネンタルのJAS 949をモチーフにカスタマイズ。ベントレーの43台のヘリテージコレクションの中で、最も象徴的な1台へのオマージュとして製作された。

JAS 949に最も近い仕様を現代に再現するため、1950年代のペイントカラーを忠実に再現したオールドイングリッシュホワイトを手作業で塗装した。JAS 949が16インチホイールを装着しているのに対して、ブラック&ポリッシュ仕上げの22インチハンドフィニッシングホイールを装着している。

室内には、クリケットボールのレザーを採用し、JAS 949のハイドカラーと同じ色合いを再現した。キャビン内のデザインラインを損なわないよう、ベルーガのレザーに手作業で施されたパイピングが、シートにアクセントを与えている。

◆ウッドの仕上げにこだわったインテリア
さらに、オープンポアのバーウォルナットで、JAS 949のパテント仕上げに近い質感を追求した。オープンポアパネルは、3層のラッカーで塗装され、その厚さは0.1mmに抑えられた。ベントレーのハイグロスラッカーは0.5mmの厚さ。各層は手作業で塗られ、塗布の間にサンディングされるため、ラッカーが木材の自然な溝に確実に密着するという。その結果、ワックスのような仕上がりになり、木材の持つ本来の自然な色と質感を際立たせることができた、と自負する。

JAS 949のインテリアのディテールを反映したクロスバンディングには、ボックスウッドのインレイを施したオーストラリア産のストレートグレインウッドが使用された。リッチゴールドのマリナーのオーバーレイで引き立てられている。さらに、Rタイプコンチネンタルのシルエットが、フェイシアのパネルとインテリアのトレッドプレートに施されている。