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コルベット 史上最速のハイブリッド、「ステルスモード」でEV走行も可能…米国発表
シボレーは1月17日、『コルベット』のハイブリッド、『コルベットE-RAY』(Chevrolet Corvette E-Ray)を米国で発表した。初代誕生から70年の歴史を持つコルベットが、初めて電動化された。
◆655hpのハイブリッドで0~96km/h加速2.5秒
新開発のハイブリッドパワートレインは、ミッドシップに「LT2」と呼ばれる直噴6.2リットルV型8気筒ガソリン自然吸気エンジンを搭載する。最大出力は495hp/6450rpm、最大トルクは65kgm/5150rpmを引き出す。このエンジンが後輪を駆動する。
シート間のフロアトンネルには、最大出力160hp、最大トルク17.3kgmを発生するモーターを搭載する。バッテリーはリチウムイオンで、蓄電容量は1.9kWhとした。コルベットE-RAYはエンジンが後輪、モーターが前輪を駆動する「eAWD」となり、ハイブリッドシステム全体で、655hpのパワーを獲得する。
トランスミッションは8速デュアルクラッチ。コルベットE-RAYは、0~96km/h加速2.5秒、0~400m加速10.5秒の性能を可能にした。史上最速の量産コルベットになるという。
◆ステルスモードでは最高速72km/hでゼロエミッション走行可能
ドライバーが選択できる2つの電気モードを搭載する。特定の状況下では電動のみで走行でき、電気モーターはサーキットでの走行性能も最適化するという。街乗り用の電気駆動モードが「ステルスモード」だ。最高速はおよそ72km/hで、ゼロエミッション走行できる。
発進時にステルスモードを選択すると、通常走行のためにエンジンが始動するまでの間、電気モーターのみで走ることが可能になる。これは自宅周辺を静かに走行するためのモードだ。最高速の上限の72km/hを超えたり、アクセルを踏み込んだり、バッテリー電力が低下した場合は、自動的にエンジンが作動する。
サーキットでのパフォーマンス向上のために、電動駆動システムを活用する場合は、必要に応じて電動AWD制御システムが、フロントアクスルにトルクを加える。また、「Charge+」機能は、バッテリーの充電状況を最大限に高め、長時間のラップ走行を可能にするという。
◆インテリジェント電動AWDシステム
カスタム設計された「パフォーマンス・トラクション・マネジメント(PTM)」モードを搭載する。PTMモードは、電動AWD駆動システムと協調して、最適化されている。
インテリジェント電動AWDシステムは、常に路面状況を検知し、トラクションの状態やドライバーのニーズに合わせてシームレスに反応。トラクションの低い路面や急発進の際には、前輪に駆動力を供給し、車両の安定性を高める。
バッテリーシステムには、プラグイン充電の必要はない。バッテリーは、通常走行時だけでなく、惰性走行や制動時の回生エネルギーによっても充電される。
◆バッテリーの充電状況を最大限に高める「Charge+」機能
コルベットE-RAYは、パワートレインを電動化することで、コーナーの立ち上がりでの力強い加速とスムーズな追い越しを可能にした。また、発進時にはドライバーの判断で、限定的に電気のみで走ることもできる。
標準搭載の「アクティブ・フューエル・マネジメント・システム」は、さまざまな運転状況で電気モーターを活用して、8気筒の半分の4気筒を休止させ、残りの4気筒で航続を伸ばす。
電動アシストは、ドライバーが切り替え可能な「ツアー」「スポーツ」「トラック」「ウェザー」「マイモード」「Zモード」の6つのモードに応じて調整される。また、バッテリーの充電状況を最大限に高めるCharge+機能を選ぶこともできる、としている。