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フェラーリ『ローマ』、1台限りで特別カスタム…中国進出30周年を記念

  • 《photo by Ferrari》
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フェラーリは1月16日、2ドアクーペ『ローマ』(Ferrari Roma)をベースにした1台限りのカスタマイズモデルを中国で発表した。中国進出30周年を記念して、「フェラーリ・テーラーメイド」プログラムによる特別なカスタマイズが施されている。

◆シルバーボディに赤いストライプと赤内装
伝統的な中国の美学と職人技からインスピレーションを得て、カスタマイズを行った。中国人デザイナーの Jiang Qionger 氏とフェラーリが協力して、デザインに取り組んだ。

ボディカラーは、サヌシルバーマットにとロッソマグマ・グロッシーを組み合わせた。ロッソマグマ・グロッシーは、伝統的な中国のカーマインレッドに敬意を表した色だ。ボディとインテリアに沿って走るストライプは、古典的な明王朝の家具にインスパイアされている。また、テーラーメイドによるカーボンファイバー製シル、赤と金の斑点のあるボルオラッカーで塗装されたキーケースも装備された。

グローブボックスやアームレスト、トランクには、特別なコレクションが収められた。黒檀とクリスタル製のアロマディフューザーセットをはじめ、赤と金の斑点が添えられたボルオラッカー塗装のティーセット、黒檀製の葉巻、カシミヤ製の毛布などが、目立たないように収納されている。

◆V8ツインターボは最大出力620ps
フロントミッドシップに搭載されるのは、排気量3855ccのV型8気筒ガソリンツインターボエンジンだ。新設計のカムプロフィールや、タービンの回転を測定する速度センサーを採用した。これにより、タービンの最大回転数が、毎分5000rpm高められた。「バリアブル・ブースト・マネジメント」を採用する。これは選択したギアに合わせて、トルクの伝達量を調整する制御ソフトウェアだ。回転数の上昇に合わせて、いっそうパワフルな加速を実現すると同時に、燃費も最適化するという。

さらに、フラットプレーン式クランクシャフトを採用する。サイズの縮小によって、回転質量を減少した。タービンは小型化によって慣性モーメントを低減させ、ツインスクロール技術で排気脈動の圧力を高めてパワーを最大限に追求している。最大出力は620ps/5750~7500rpm 、最大トルクは77.5kgm/3000~5750rpmを引き出す。ガソリン・パティキュレート・フィルター(GPF)を採用し、厳しい排出ガス基準のユーロ6Dに適合させた。

トランスミッションは、フェラーリ初のプラグインハイブリッド車(PHEV)、『SF90 ストラダーレ』にも採用された8速デュアルクラッチを組み合わせた。従来の7速よりもコンパクトで、6kg軽量化された。燃料消費量と排出ガスが低減されるだけでなく、低粘度オイルとドライサンプ方式によって流体力学的ロスを最小限に抑え、より素早くスムーズにシフトチェンジをすることが可能に。そのため、一般道を走行する際の車両レスポンスが高まり、市街地やストップ&ゴーを繰り返す状況下ではとくに快適になったという。

◆0~100km/h加速3.4秒で最高速は320km/h以上
リアスクリーンと一体化した電動可動式のリアスポイラーを採用した。リアでダウンフォースを発生し、最適な車両バランスを実現する。フロントにはアンダーボディのボルテックスジェネレーター、リアにはアクティブエアロダイナミクスも装備した。これにより、250km/hで発生するダウンフォースは、ポルトフィーノよりも95kg増加している。

リアスポイラーは特殊なメカニズムによって、速度と前後と左右の加速度に応じて、3種類のポジションに展開する。最大の高さの「HD」に展開すると、可動エレメントはリアスクリーンに対して135度の角度となり、ダウンフォースを増加させる。

ローマには、「サイドスリップ・コントロール(「SSC」)6.0」のコンセプトを活用する。SSCには、サイドスリップを正確に予測して、コントロールシステムに伝達するアルゴリズムが組み込まれている。SSC 6.0が統合するシステムには、「E-Diff」、「F1-Trac」、「フェラーリ・ダイナミック・エンハンサー(FDE)」などがある。FDEには、「Race」モードに導入された。Raceなど5種類のモードを切り替える「マネッティーノ」によって、ハンドリング性能とグリップを引き出しやすくした。ローマの乾燥重量は1472kg。動力性能は、0~100km/h加速が3.4秒、0~200km/h加速が9.3秒、最高速が320km/h以上、としている。