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ポルシェ マカン 次期型にEV、アウディと共同開発の車台を初採用…最新プロトタイプ
ポルシェは1月11日、SUV『マカン』(Porsche Macan)次期型の最新プロトタイプの写真を公開した。EVパワートレインの一部スペックも明らかにされている。
◆高性能モデルの最大出力はおよそ612hp
「プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック(PPE)」をベースに構築された最初のポルシェとなるのが、EVバージョンの次期マカンだ。PPEはアウディと共同開発。このアーキテクチャーは、ホイールベース、トレッド幅、最低地上高などを柔軟に変えることができ、さまざまなセグメントの異なるボディタイプに使用できるのが特長だ。これにより、ポルシェとアウディは、パッケージやスペースの点で、PPEのメリットを享受できるという。
次期マカンには、永久磁石シンクロナスモーター(PSM)と呼ばれる電気モーターを搭載する。高性能モデルの場合、最大出力はおよそ612hp、最大トルクは102kgm以上を引き出す。
バッテリーはリチウムイオンで、蓄電容量はおよそ100kWh。800ボルトテクノロジーによって、『タイカン』の出力270kWよりも、さらに速く充電できる。急速充電ステーションでは、バッテリーの容量の8割を、およそ25分で充電できるという。
◆マカン初のリアアクスルステアリングが可能に
最上位モデルには、リアアクスルに電子制御ディファレンシャルロックの「ポルシェ・トルク・ベクタリング・プラス」が標準装備される予定だ。走行状況に関係なく、より優れたトラクション、走行安定性、横方向のダイナミクスを実現するという。ステアリングの挙動と精度は、リアアクスルに焦点を当てたダイナミックブレーキの介入によって高められる。
「ポルシェ・トラクション・マネージメント(PTM)」は、EVパワートレインの利点を活用する。タイカンと同様に、マカンのEVは、前後アクスルにそれぞれモーターを積む。2つの電気モーターは、高速で正確な全輪制御を行う。完全可変式となっており、選択した走行プログラムと走行状況に応じて、前輪と後輪の間で駆動トルクを最適に配分する。
同時に、このパッケージングによって、マカン初のリアアクスルステアリングを可能にした。高速道路での安定性と、都市部での俊敏性を両立させる、と自負する。80km/hまでの速度域では、後輪は前輪と反対方向にステアする。前輪と後輪のステアリング角度は、最大5度だ。実質的にホイールベースが短縮される効果により、コーナリング時のステアリングレスポンスが、よりダイナミックになるという。同時に、最小回転半径が小さくなるため、狭い都市部での車両の取り回しが容易になる。
80km/h以上の速度域では、後輪は前輪と同じ方向にステアする。その結果、ホイールベースが実質的に長くなり、高速道路での車線変更時などに、走行安定性が向上するという。
◆速度に応じてエアサスとの組み合わせて車高を下げることが可能に
電子制御の「ポルシェ・アクティブ・サスペンション・マネージメント(PASM)」を、エアサスペンションと組み合わせる。このシステムは、路面の状態だけでなく、速度、前後および横方向の加速度、アクセルペダルの開度、ステアリングの挙動などにも反応する。PASMによって、パフォーマンスの向上を目指す。
2バルブのショックアブソーバーは、次期マカンのPASMの新機能だ。2バルブのショックアブソーバーは、独立して調整できるため、快適性が大幅に向上するという。速度に応じて、エアサスペンションと組み合わせて車高を下げることができ、これによりエアロダイナミクスが改善され、航続が伸びる、としている。