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VW ID.Buzz が東京に登場、注目!—日本導入は未定だが

  • 《写真撮影 中尾真二》
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フォルクスワーゲンジャパンは12月12日から25日までの期間、東京・六本木の東京ミッドタウンアトリウムにてポップアップスペース「ID.SQUARE」を開催する。日本市場投入が発表された『ID.4』のほか『ID.Buzz』も参考展示され来場者の注目を浴びていた。

ID.Buzzは、一定の年齢層には「COMBI」の愛称で親しまれたフォルクスワーゲンバスのオマージュともいえるEVだ。ドイツ車で頑丈で中古車が若者でも買える存在のため、70年代ヒッピー文化の象徴でもあった車だ。いまだにファンやマニアは多く、そのEV化にはさまざまな意見がありそうだ。

展示車両は、アイルランド仕様(右ハンドル)のもので、日本仕様ではない。充電ポートもCCS Type2のままだった。日本への導入も含めて価格や仕様などもすべて未定だそうだ。したがって販売プロモーションというよりはコンセプト展示としての意味合いが強い。欧州では販売が始まっており展示車両は量産車だ。今回、コックピットやメータークラスタはID.4と大きな違いはなく、「PLAY」「PAUSE」ボタンマークのアクセル、ブレーキペダルも踏襲される。ボディサイズは全長約4.7メートル、全長約1.9メートル、全幅は約2メートル(1985mm)。全長はアルファードよりは小さいが、幅が35mmほど大きい。

価格が、欧州での販売価格をもとに円換算すると900万円を超えるが、正規輸入での日本市場投入が決定していない段階で予想価格としてはあまり参考にならない。たとえば、ACアウトレットやV2L、V2H機能が搭載されればCEV補助金の対象になる。ID.Buzzには現状、ACアウトレットがついていない。カーゴモデルという商用車設定はあるが、欧州ではいまのところ車内でPCや家電を使うニーズは高くないそうだ。だが、V2Lについてはグローバルで検討事項だという。実現すれば、災害対策のための自治体採用が広がる可能性がある。ID.Buzzの80kWhのバッテリーとカーゴタイプのユーティリティが生きる用途だ。

カーゴタイプは、前述の円換算だと700万円くらいとなり、(決してリーズナブルではないが)商用車や業務用車としての可能性がある。キッチンカー、ラストマイル輸送、ルートデリバリ、スクールバス、乗合バス、シェアリングといった用途だ。生産財としての自動車は、乗用車(消費財)とは違った財務基準が成り立つ。EVによってランニングコストが下がるなら、事業者にとっては営業利益やフリーキャッシュが増える可能性がある。

個人所有では、キャンピングカー、車中泊といった用途が考えられる。キャンピングカーでも徐々にではあるがEVの評価が高まっている。モバイルバッテリーなどを積まなくてもよいこと、エンジンをかけなくてもエアコン、照明などが使える便利さがある。

往年のCOMBIファンにはうれしいポイントもあるID.BuzzはMEBプラットフォームを採用しているため、パワートレインレイアウトでいうとRR(リアモーター、リア駆動)となる。150kW出力のモーターがリアのeアクスルとともに搭載される。フロント部分にはエアコンや12V系の電装品関連のモジュールが収められるだけだ。RRは「ビートル」「ワーゲンバス(COMBI)」のシンボルでもある。