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【トヨタ プリウス 新型】新開発プラットフォームで低重心化、空力特性は?

  • 《写真提供 トヨタ自動車》
  • 《写真撮影 安藤貴史》
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トヨタ自動車が11月16日にプロトタイプ(量産試作車と推定)を公開したCセグメントコンパクトクラスのハイブリッド専用モデル、第5世代『プリウス』。トヨタはプラットフォームについて第2世代TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャの略)という言葉を使っている。

◆新技術はプリウスから投入
車台中心からモジュール中心へとクルマ作りの切り替えを進めるトヨタがTNGAを展開しはじめたのは2015年で、トップバッターは従来型プリウスだった。そのTNGAの第2世代をうたうのは第5世代プリウスが初めて。トヨタのラインナップの中で先陣を切る技術が盛り込まれるという、初代以来のプリウスの伝統が守られた格好だ。

技術の詳細は明らかにされていないが、現行プリウスのGA-C(TNGAのクラスでCセグメントコンパクトクラスを主眼とするもの)プラットフォームからの進化点としてトヨタが揚げているのは低重心化とタイヤの大径化。

現行のGA-Cも重心は十分に低められており、とくにPHEV(プラグインハイブリッドカー)の『プリウスPHV』は山岳路でも非常に安定した走りを見せていた。そこからさらに低重心化を図るにはクルマを構成する部品で重量がかさむもの、たとえばバッテリーやエンジンなどの搭載位置を下げるといった改修が行われているものと推察される。現行GA-Cはハイブリッドカーと純エンジン車の作り分けが重視されていたが、第2世代TNGAは今後先進国需要が減っていくことが予想されるエンジン車にはパッケージング面で多少割を食ってもらい、そのぶんハイブリッドカーに力点を置いた作りになっているのであろう。

◆Cd値は0.22を達成したい
そのボディだが、興味をそそられるポイントのひとつは空力特性であろう。現行プリウスのCd値(空気抵抗係数)の0.24は登場当時はきわめてハイレベルだったが、今日の空力重視のモデルはそれより良い領域で競っている。

車両の空気抵抗は基本的に全長に対する全高の割合が小さいほど有利という前提があり、そのうえで床面やタイヤハウスを含めたボディまわりの気流をどれだけ上手く流してやるかということでおおむね決まる。基本的には床面に排気管などを回さずにすむ電気自動車が有利という傾向があり、量産モデルで最も良いのは現時点でメルセデスベンツ『EQS』のCd値=0.20である。エンジン車のトップランナーはBMW『5シリーズ』などの0.22。

空力特性は空気抵抗が小さければいいというものではなく、走りを考えると部分的に増やしてやったほうがいいという要素もあるが、燃費向上という観点ではタイヤの走行抵抗削減と並び絶対正義だ。プリウスがエコカーのトップランナーを標榜するモデルである以上、エンジン搭載車の最良クラスである0.22あたりを狙ってくるのではないかと予想される。最良を狙うなら0.21だ。第5世代のシルエットを見ると、ルーフ頂点の位置が現行よりかなり後ろに置かれており、第3世代に似た空力モデルとなっている。果たしてその数値がいくつになるのか、詳細技術の公表が楽しみなところだ。