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真っ赤なVW『ID. Buzz』は家電のサービス車両…商用版を引き渡し

  • 《photo by VW》
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フォルクスワーゲンは11月16日、新型EVの『ID.Buzzカーゴ』(Volkswagen ID.Buzz Cargo)の最初の5台を、ドイツのプレミアム家電ブランド「Miele(ミーレ)」に引き渡した、と発表した。

◆ドイツなど欧州5か国で移動家電サービス車両として活用
ID.Buzzカーゴは、新型EVミニバン『ID.Buzz』の商用バージョンだ。Mieleに引き渡された5台は、ドイツ、スペイン、ノルウェー、英国、オーストリアの5か国で、移動家電サービス車両として活用される。

車体は、ミーレらしいパプリカレッドで塗装された。荷物スペースには、ミーレのカスタマーサービス担当者が使うスペアパーツやツールを収納したシェルフシステムが装備された。このシェルフシステムは、ID.Buzzカーゴの製造ラインで取り付けられる。また、折り畳み式テーブル一体型センターコンソールは、移動オフィスとしても機能するという。

ミーレは、2030年までに所有する全車両の CO2排出量を、少なくとも 30%削減するという目標を掲げる。この目標達成に向けて、さらなるID.Buzzカーゴを2023年に配備する予定だ。ミーレは、フォルクスワーゲン商用車の自動運転車の導入も計画している。

◆1回の充電での航続はシリーズ最長の425km
ID.Buzzカーゴは、フォルクスワーゲングループの新世代EV向けのモジュラー車台「MEB」をベースにする。そのアーキテクチャは、ソフトウェアとテクノロジーのさらなる開発を可能にするという。ID.Buzzカーゴは将来、無線アップデートによって車載のソフトウェアとテクノロジーを進化させていく。

モーターはリアアクスルに搭載する。最大出力201hp、最大トルク31.6kgmを引き出す。最高速はリミッターによって、145km/hに制限される。バッテリーはリチウムイオンで、蓄電容量は82kWh(正味容量は77kWh)とした。1回の充電での航続は、最大で425km(WLTPサイクル)に到達する。

最大で425kmの航続は、欧州仕様の乗用ミニバンの「ID.Buzzプロ」の423kmよりも2km長く、ID.Buzzシリーズ最長になる。急速充電を利用すれば、バッテリーの8割の容量を充電する時間は、およそ30分で済む。

◆後席がなく乗車定員は2名または3名
ID.Buzzカーゴでは、エアロダイナミクスを追求したデザインを採用する。前面空気抵抗を示すCd値は0.29とした。これにより、エネルギー消費が削減され、航続を拡大する。

欧州での発売当初、全長4712mm、ホイールベース2988mmの標準ボディが導入される。2988mmのホイールベースは、フォルクスワーゲンの内燃エンジン搭載の主力商用車の『T6』比較として、2mm違うのみ。一方、T6の全長4904mmに対して、ID. Buzzカーゴの全長は192mm短い。これにより、T6と同様の室内長を維持しながら、より小さな駐車スペースに停めることができるという。また、ID.Buzzカーゴの全幅は1985mmで、『T6』よりも81mmワイドだ。全高は1938mmで、T6の全高1970mmと比較して、およそ30mm低くしている。

後席がなく、乗車定員は前席がセパレートの場合は2名、前席がベンチシートの場合は3名となる。前席と荷室の空間を分ける固定式のパーティションが装備される。このパーティションには、前席から荷室が確認できる窓ガラスが付く。ID.Buzzカーゴは3.9立法mの荷室容量を備えている。荷室フロアには、欧州で一般的な貨物規格の「ユーロパレット」を2個、横方向に積載し固定することができる、としている。