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VW初のEVセダン『ID.エアロ』、2023年から生産へ…ロサンゼルスモーターショー2022出展予定
フォルクスワーゲンは11月17日(日本時間11月18日未明)、米国で開幕するロサンゼルスモーターショー2022に、ブランド初のEVセダンを提案したコンセプトカー『ID.エアロ』(Volkswagen ID. AERO)を出展する。ロサンゼルスモーターショーの主催団体が発表した。
◆1回の充電での航続は最大620km
ID.エアロは、流れるようなラインと充分なスペースを備えたダイナミックな4ドアセダンだ。ボディサイズは、全長が約5000mmで、最初に投入される中国市場では、アッパーミドルクラスに属する。フロントやルーフの空力デザインがエネルギー消費を削減し、航続を伸ばすのに役立つという。
蓄電容量77kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載する。効率的なEVパワートレインと優れた空力特性のおかげで、1回の充電での航続は最大620kmに到達する。
ID.エアロの市販モデルは、中国で4番目の「ID.」モデルシリーズとなり、2023年後半の発売を予定する。フォルクスワーゲンの中国合弁事業の一汽フォルクスワーゲンと上海フォルクスワーゲン向けに、2つのバージョンが計画されている。早ければ2030年には、中国で販売される新車の2台に1台が、EVになると見込む。
◆前面空気抵抗係数を示すCd値は0.23
ID.エアロの足元には、スポーティなタービンデザインが施された22インチのツートンカラーホイールを装着。ホイールハウジングにぴったり収まる設計とした。ドアハンドルは、照明付きのタッチサーフェスに置き換えられ、空気抵抗をさらに抑えた。車体の上部には、大胆なトルネードラインと下向きに傾斜したルーフラインを配した。力強いショルダーセクションは、EVセダンをより平らに見せ、ダイナミックな印象を与えることを狙う。前面空気抵抗係数を示すCd値は0.23とした。
外装には、ポーラーライトブルーと呼ばれるメタリック塗装が施された。ライトメタリックシェードのカラー顔料が、光の条件によって、ゴールドのきらめき効果を生み出す。ルーフは車体とは対照的に、グロスブラックで塗装されている。
フロントマスクは、ID.ファミリーらしいハニカムパターンだ。フロントマスクは、バンパーで水平方向に2分割されており、ID.ファミリーらしさを表現する。フロントの最上部には、スリムなライトストリップが配され、照明付きのフォルクスワーゲンエンブレムの左右に、LEDマトリックスヘッドライトの「IQ.LIGHT」をレイアウトする。リアエンドは、ダークライトストリップとハニカム構造のLEDテールライトクラスターを装備した。これにより、ID.エアロ独特の外観を作り出しているという。
◆欧米や中国で販売される予定
ID.エアロは、「MEB」車台の多様性を示す1台だ。EV専用のMEBアーキテクチャは、その設計の柔軟性により、さまざまな形状やサイズの車両に適合させることができる。MEBは、コンパクトなクロスオーバーやSUV、ミニバンから、大型セダンまで、さまざまなセグメントで使用できる。MEBはまた、電気モビリティの可能性を充分に活用し、長い航続、デジタル接続、無線更新を実現するという。
ID.エアロの欧州仕様車は2023年、ドイツ・エムデン工場から出荷される予定だ。EVの大量生産により、エムデンは地域で最初のフォルクスワーゲンのEV工場のひとつとなり、ラインナップの電動化に貢献。車両全体のCO2排出量を削減するという。
フォルクスワーゲンは、ゼロエミッションのモビリティ実現に向けて、全世界で電動化攻勢を進めている。ID.エアロは、ID.ファミリーの新しいフラッグシップモデルとして、将来的にグローバル市場に投入され、中国に加えてヨーロッパと北米でも販売される予定、としている。