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ルノー 5ターボEV はチュリニ峠を走らせたい!
パリモーターショー2022は近年の各国モーターショーの例にならい、外国勢の参加が減っている。しかし、その分国内メーカーの発表は逆に力が入っている。ルノーはプレスカンファレンスで7つものワールドプレミアを発表した。
どれもEV・PHEV・FCVに絡むものだが、情報が多すぎて整理しきれない。プレスカンファレンスでも力を入れていた『5ターボE3』と『4EVERトロフィー』について紹介する。
◆EVホットモデル、5ターボE3
ルノー5ターボE3は、往年のグループBカーを連想させる派手はオーバーフェンダーとウィングが特徴のEVホットモデルだ。8月にルノー5のEVを発表しているが、それのカスタムバージョンといっていい。
バッテリー容量は42kWと少々小さいが、全長が4メートルほどのコンパクトモデルにはちょうどよい。しかし電費に性能を振るのではなく見た目にふさわしい運動性能を持つ。モーター出量は280kW、最大トルクは700Nmもある。内燃機バージョンのおよそ2倍の数値だ。0-100km/h加速は3.5秒。
EVなのに「ターボ」という名前がついているのは、「5ターボ」のオマージュでもあり、3つのドライブモードの「ターボ」モードの意味あるようだ。ドライブモードはドリフトやゲームを意識した「ターボ(ドリフト)」「ドーナツ」「トラックインベーダー」の3つ。サイドブレーキはドリフト車のようにロングスティックが垂直にフロアからでている。
ドリフト専用車かというと、じつはそうでもない。車両のロールケージはFIAのホモロゲーションに準じている。狙いはWRCだ。実現するかどうかは不明だが、ルノーではこの車を再びチュリニ峠(モンテカルロラリーで有名なギャラリーステージコース)で走らせたいという。賛同する人はぜひFIAに呼び掛けてほしいそうだ。
22kWのAC普通充電があれば30分ほどで80%以上の充電が可能だというので、EV用のリエゾンタイムの取り方を工夫すれば、競技が成立する可能性はある。いきなりは無理でもまずは000カー、00カーやスーパーSSのみのデモ走行などは見てみたい。
◆国民車 4 がEVで復帰、ヘビーデューティー仕様で登場
もう1台の4EVERトロフィーは、ルノーの国民車である『4L』のEVコンセプトモデルだ。外装はアウトドアを意識したヘビーデューティーなデザインだ。往年の郵便配達車のような庶民的な雰囲気は鳴りを潜めている。ルノー4のEVは21年にアナウンスがされていたが、車両としてのお披露目は今回のパリモーターショーがワールドプレミアとなる。市販は2025年を予定している。