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多摩田園都市で自動運転モビリティ…幹線バス+ラストワンマイルの実験

  • 《写真撮影 高木啓》
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東急バスと東急は、多摩田園都市エリアにおいて自動運転モビリティの実証実験を実施している。実験の第1弾として9月13~15日の期間、横浜市北部の青葉区すすき野地区で、自動運転レベル2(運転者は監視のみ)の小型バスを運転した。

昨今、少子高齢化や共働き世帯増加を背景としたライフスタイルの変化や、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によるテレワークの定着など、人々の「移動」に関する考え方が変化している。また、東急グループの地元、多摩田園都市エリアのような郊外住宅地では、高齢化が進んでいることに加え起伏の多い丘陵地帯が多いことから、「移動」に関してこれまで以上のきめ細やかなサービスが求められている。

本実験の第1弾は、技術実証を目的として9月13~15日の期間、横浜市青葉区すすき野3丁目付近で検証を行なった。自動運転レベル2(運転席の運転者が常時周囲管理)の8人乗り小型バスが、すすき野団地折返所発着の周回コースを走った。コースは全区間歩車分離されており、途中乗降はない。

横浜市青葉区すすき野地区は、最寄りの鉄道駅が、約4km離れた東急田園都市線のたまプラーザ駅かあざみの駅だ。両駅から渋谷駅までは急行電車で約20分の距離だ。地区の大部分に現・独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)により建設されたすすきの団地がある。地区内とたまプラーザ、あざみ野の両駅との間には高頻度でバスが運行されている。自動運転バスは、こういった幹線バスのバス停と住宅とを結ぶ、徒歩に代わるフィーダー輸送、いわゆる「ラストワンマイル」を想定している。なお今回のコース設定については、まず最初の技術検証ということで、将来の一般運用は考慮されていない。

車両はタジマコーポレーション製の8人乗り電気自動車。高精度三次元地図による自己位置推定により自動運転は制御される。車両搭載のLiDARで事前に地図データを作成、LiDARで取得した点群データにより、周囲の建物や障害物を認識する。走行時は0.1秒に1回、位置合わせを行ない、自社の位置を認識し、車両の速度と進行方向を制御する。最高速度は19km/hだが、これは車両のグリーンスローモビリティ規格に沿ったもので、自動運転の技術的要件ではない。

実験の第2弾では、技術検証の結果を踏まえ、遠隔監視設備を設置し、一般の人を対象とした試乗会を2022年度内(2023年2~3月頃)に実施する予定だ。

本実験では、東急バスが全体の取りまとめ・警察・関係者との協議を行ない、東急は自動運転システムの提供、走行調整を担当する。東急が2020年より静岡県内を中心に実証実験を行なってきた遠隔監視型の自動運転技術のノウハウを活用し、郊外住宅地で自動運転車両を活用した移動サービスを検証する。