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日産 エクストレイル 新型、欧州仕様は「VCターボ」+マイルドハイブリッドも設定

  • 《photo by Nissan》
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日産自動車の欧州部門は9月6日、新型『エクストレイル』(Nissan X-Trail)の欧州仕様車を初公開した。

◆1.5リットル直列3気筒VCターボは最大出力163ps
欧州向けの新型エクストレイルには、日本仕様と同様、「e-POWER」を設定する。欧州向けe-POWERには、フロントだけにモーターを積む2WD(FF)と、リアにもモーターを追加した電動4WDの「e-4ORCE」を用意する。

日本仕様のパワートレインはe-POWERのみだが、欧州仕様の新型エクストレイルには、マイルドハイブリッドがラインナップされる。日産が世界で初めて量産化に成功した可変圧縮比エンジンの「VCターボ」付き1.5リットル直列3気筒ガソリンユニットに、12Vのマイルドハイブリッドテクノロジーを組み合わせた。このシステムは、トルクアシスト、アイドリングストップとクイックリスタート、コースティングストップ機能を備えており、燃費とCO2排出量に効果をもたらすという。

1.5リットル直列3気筒ガソリンVCターボエンジンは、最大出力163ps、最大トルク30.6kgmを引き出す。駆動方式は2WD(FF)のみで、トランスミッションはCVTの「エクストロニック」を組み合わせる。

◆運転状況に応じてエンジンの圧縮比を変更
日産が開発したVCターボエンジンは、量産エンジンとしては世界初の可変圧縮比エンジンだ。可変圧縮比技術は、ピストンの上死点位置をシームレスに変化させるマルチリンクシステムを活用しており、最適な圧縮比に素早く変化する特長を備えている。

圧縮比は8:1(高性能)から、14:1(高効率)の間で自在に変えることができる。運転状況に応じてエンジンの制御ロジックは、自動的に最適な圧縮比を選択する。またこの技術は、燃料消費量と排出ガスの大幅な削減、騒音や振動レベルの低減など、多くのメリットがあり、既存のエンジンに比べ軽量かつコンパクト設計としている。

リラックスしたドライブやちょっとした加速を含めた走行シーンでは、エンジンは燃費効率を最適化するために、高圧縮比に切り替えられる。パフォーマンス志向の走行状況では、圧縮比は低いレベルに調整される

◆最高速は200km/hでe-POWER仕様の170~180km/hを上回る
12Vのマイルドハイブリッドシステムは、減速時には回生によってエネルギーを回収し、リチウムイオンバッテリーに蓄える。この電力は、たとえば赤信号の停車でエンジンが停止している間、電装システムを作動させるために使用される。さらに、加速時には、リチウムイオンバッテリーに蓄えられた電力が、およそ6Nmのトルクブーストを発生させることができる。

マイルドハイブリッドシステム搭載車は、2列シートの5名乗りと3列シートの7名乗りが用意される。動力性能は0~100km/h加速が9.6秒。e-POWER仕様の場合、0~100km/h加速は7~8秒だ。一方、マイルドハイブリッドシステム搭載車の最高速は、200km/hに到達する。200km/hの最高速は、e-POWER仕様の170~180km/hを上回り、欧州向けの新型エクストレイルでは最も速い。

マイルドハイブリッドシステム搭載車の環境性能に関しては、5名乗りの燃費が13.9~14.01km/リットル、7名乗りの燃費が13.5~13.9km/リットル(いずれもWLTPサイクル)、5名乗りのCO2排出量が161~164g/km、7名乗りのCO2排出量が164~166g/km(いずれもWLTPサイクル)と発表されている。