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ダイハツ、インドネシア主導で開発したバッテリーEVを披露
ダイハツは、「ガイキンド・インドネシア国際オートショー2022(GIIAS 2022、インドネシアモーターショー)」において、バッテリーEV(BEV)のコンセプトカー『AYLA(アイラ)BEV』を発表した。他にもハイブリッド車(HEV)の新型『ロッキー』も海外初出展し、インドネシアにおける電動化を後押ししていく。
今年のブーステーマは「ダイハツ・オーサムバース」とし、現在トレンドとなっているメタバースのコンセプトを取り入れつつ、ホール5Aにモダンでアートな雰囲気の広大なスペースを用意した。ブースのデザインは、若い世代の訪問者や若い家族をターゲットに新たな体験ができる場として鮮やかな色彩でコーディネイトされているのが特徴だ。
◆インドネシアに適したBEVは何か、を考えて開発
ダイハツが GIIAS 2022 で出展したのは合計9台。そのうちの1台がサプライズ発表となったAYLA BEVコンセプトだ。モーターだけで走行する完全なBEVで、現地のアストラ・ダイハツ・モーター(ADM)のR&Dセンターが独自に開発した。
具体的なスペックや投入時期は明らかにされていないが、駆動方式はFFで、バッテリー容量や価格についてはインドネシア国内の事情を踏まえた開発が進められているようだ。車両デザインは現行AYLAを踏襲しつつも、バンパーから下をBEVの最近のトレンドを取り入れた斬新さをアピール。ドアミラーも電子式としている。
ADMの原田雅人マーケティングディレクターは、AYLA BEVの開発について、「日本のダイハツのサポートを受けながら、インドネシアに適したBEVは何なのかを考えつつ研究開発している」と述べ、パーツ比率の現地化8~9割とすることや、価格も含めインドネシア政府が進めるエコカー政策LCGC(Low Cost Green Car)に合わせた開発を進めているとした。
また、原田氏は「BEVを(インドネシア国内で)普及させるには、インフラの整備はもちろんだが、(まだ定まっていない)急速充電の規格についても大きな課題がある」とも話す。そんな中で「中韓勢がBEVをフックに環境貢献を旗印にしたシェア拡大を目指す動きはとても脅威に感じている。日系メーカーが一丸となって対抗していく」とも話した。
◆e-SMART搭載の新型ロッキーも海外初出展
一方、原田氏がインドネシア国内でも普及させやすいと考えているのが、ダイハツが開発したハイブリッド方式「e-SMART」だ。シリーズ式ハイブリッドを採用したこの方式は、低コストを実現しつつも効率の良さを追求したのが特徴としており、それがインドネシアで普及させるにも都合が良いというわけだ。会場にはe-SMARTを搭載する新型ロッキーが展示され、これは日本国外では初めての出展となった。
この出展と合わせ、会場には7人乗りMPV『シグラ』や、「AYLA」といったLCGC適合車を出展。低燃費、省資源なコンパクトカーとインドネシア国内におけるカーボンニュートラルの実現に貢献する考えだ。
他にもドレスアップした7人乗りSUV『テリオス』を展示。さらに現地で販売されている車種として、2021年11月にフルモデルチェンジした7人乗りMPV新型『セニア』のスポーツモデルや、2022年6月にマイナーチェンジした5人乗りコンパクトカー『シリオン』なども披露された。