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アウディ RS6、デビュー20周年…ツインターボ+「クワトロ」は初代から継続
アウディは7月25日、高性能モデル『RS6』(Audi RS6)がデビュー20周年を迎えた、と発表した。2002年の初代以来、ツインターボエンジンと4WD「クワトロ」の組み合わせは、最新の4世代目モデルまで受け継がれているという。
◆初代は450psのV8ツインターボで0-100km/h加速4.7秒
初代RS6の開発では、第2世代の『A8』用のV型8気筒ガソリンエンジンが選択された。このエンジンをRS6に搭載するには、数多くの改良が必要だったという。ツインターボを装着した4.2リットルV8エンジンは、ベース車両の当時の『A6』のボディには収まらなかった。そのため、A6のフロントエンドを拡大し、V8エンジンを積むために40mmのスペースを確保した。
このエンジンは、2004年までアウディの子会社だった英国のコスワースがチューニングを担当し、最大出力450ps、最大トルク57.1kgmを引き出した。その結果、V8エンジンを搭載した初代モデルは、セグメント最高のパワーを獲得していた。
この初代には、マニュアルトランスミッションを搭載したモデルよりも素早いシフトを可能にしたトルクコンバーター式のトランスミッションが初めて搭載された。5種類の走行モードを備えたこのトランスミッションにより、0~100km/h加速4.7秒を実現していた。
◆初代にはコーナリング性能を引き上げる「DRC」を搭載
新開発のDRC(ダイナミック・ライド・コントロール)サスペンションも採用された。DRCは対角線上に2つの油圧ショックアブソーバーを備えたスチール製スプリングで構成され、タイムラグなしにボディの動きを打ち消すという。これは、電子制御ではなく、機械的に行われる。車両がコーナーに差しかかると、ダンパーのレスポンスが変化し、縦軸(ロール)と横軸(ピッチ)に沿って、車両の動きを抑制していた。
初代モデルは、生産ラインと手作業の両方で製造された。生産ラインで仕上がった車両は、走行することは可能だったものの、サスペンション、RS専用コンポーネント、独自の室内装飾エレメントを装備していなかった。そこで、生産ラインから出た後に、隣接するホールでさらに作業が行われた。このホールでエンジニアが15時間をかけて、各車両を個別に仕上げた。
初代のモデルライフ終盤には、「プラス」と呼ばれるハイパワーバージョンが追加された。最大トルク57.1kgmを維持しながら、最大出力は450psから480psへ30ps強化された。その結果、最高速も250km/hから280km/hへと、30km/h引き上げられていた。
◆現行型は600psのV8ツインターボで0-100km/h加速は3.6秒
最新の4世代目の『RS6アバント』のパワートレインは、直噴4.0リットルV型8気筒ガソリンツインターボ「TFSI」エンジンだ。最大出力は600ps。最大トルクは81.6kgmを、2050~4500 rpmで引き出す。トランスミッションは8速「ティプトロニック」、駆動方式は4WDの「クワトロ」で、RS専用チューンが施された。0~100km/h加速は3.6秒、0~200km/h加速は12秒、最高速は250km/h(リミッター作動)の性能を発揮する。オプションの「ダイナミックパッケージ」を選択すると最高速は280km/hに、「ダイナミックパッケージプラス」を選択すると305km/hに引き上げることができる。この性能は、世界最速クラスのワゴンとなる。
48Vのマイルドハイブリッドを採用した。48ボルトの電源システム、BAS(ベルト駆動式オルタネータースターター)、リチウムイオンバッテリーを組み合わせ、走行中にエンジンを最大40秒休止させ、惰性走行で燃費を稼ぐ。エンジンのスタート/ストップ機能も、幅広い走行条件で作動する。減速時には、BASが最大12kWのエネルギーを回生し、リチウムイオンバッテリーに蓄える。アウディによると、マイルドハイブリッドの効果により、実走行で100kmあたり最大0.8リットルの燃料消費を削減するという。気筒休止システムも採用する。
「アウディドライブセレクト」のダイナミックハンドリングシステムを使用して、走行特性を変更できる。アウディドライブセレクトのドライブモードとして、「RS1」と「RS2」を設定した。ステアリングホイールの「RS MODE」ボタンを操作することにより、エンジンとトランスミッション、パワーステアリング、サスペンション、ダイナミックオールホイールステアリング、クワトロスポーツディファレンシャル、エンジンサウンドなどが変化する、としている。