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ルノー『5』復活? 50周年記念コンセプトはEV
ルノーは7月4日、ルノー『5(サンク)』のデビュー50周年を祝うコンセプトEV、ルノー『5ディアマン』(Renault 5 Diamant)を欧州で発表した。
◆アルピーヌブランドから流用された大径ホイール
開発にあたってルノーは、フランス人デザイナーのピエール・ゴナロン氏と協力した。オリジナルのルノー5のデザインの特徴を取り入れながら、未来のコンパクトEVの姿を提示した。モデル名の「ディアマン」は、フランス語でダイヤモンドを意味する。
3ドアハッチバックボディや角型ヘッドライト、縦長のテールライトなどは、1972年に生産を開始したオリジナルのルノー5を連想させるデザイン。ボンネットの下には、EVパワートレインを搭載している。
エクステリアは、オリジナルのルノー5の特徴的なラインが際立つように、シンプルさを追求した。ヘッドライトとテールライトは、宝石のような仕上げ。アルピーヌブランドから流用された大径ホイールは、中央にピエール・ゴナロン氏のシンボルの太陽をあしらった。
ボディカラーは、3層塗装によるもの。ピンクのベースにゴールドの顔料を塗り、つや消しのニスを塗布した。太陽光の下ではゴールドがかった色調に、暗闇の下では青みがかった色調に変化するなど、さまざまな効果を生み出すという。
◆独特な形状のステアリングホイールには大理石を使用
インテリアは、ドアハンドル、ウィンドウワインダー、シフトレバーなどが、球体デザイン。素材には、金メッキされた真ちゅうやステンレスを使用した。ステアリングホイールには、カーボンファイバーと大理石を用いており、その独特な形状が目を引く。
ドアロックは、指紋スキャナーで解除する。ルノーの市販EV同様に、シーケンシャルシフトレバーは、D、N、Rの3ポジション。3つの丸いデジタルメーターは、速度、バッテリー残量、時刻などの重要な情報を表示する。ナビゲーションとインフォテインメントは、ダッシュボードの中央に置いたスマートフォンが、その役割を担う。
フランスで工芸品を手がける職人が、プロジェクトに参画した。ステアリングホイールや収納コンパートメントには、Mineral Expertise社によってリサイクルされた大理石を使用した。シートを覆う生地とダッシュボードを覆う馬の毛の生地は、手作業で馬の毛を織っている世界で唯一のワークショップ、Metaphores社によって製作された。モヘアウールカーペットは、フランスで最後のタペストリー職人の1人、ピントン氏によるもの。ボンネットのモノグラムなど、車体に配された金メッキは、パリのアトリエのBertin-Aubertの作品だ。
◆世界中で500万台以上が販売されたオリジナルのルノー5
ルノー5は、フランス乗用車史上最多の生産台数を記録し、「クルマのジーンズ」と呼ばれるルノー『4』(1961年発売)の後継モデルとして、1972年に誕生した。機能性とデザイン性を兼ね備えた車として、ルノー4同様に多くの人々に受け入れられ、ルノーを販売台数で欧州首位の自動車メーカーに押し上げた。
高性能モデルの『5ターボ』(サンクターボ)も用意されていた。5ターボはルノー5をベースに、エンジンをミッドシップマウントに変更。WRC(世界ラリー選手権)のグループ4 参戦のホモロゲーションモデルとして開発されたモンスターマシンだった。
2022年、ルノー5は誕生50周年を迎える。ルノー5は、ポップカルチャーのシンボルであり、世界中で500万台以上が販売された。ルノー5の誕生50周年を祝うために、ルノーは年間を通じて数多くのイベントを計画している。