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2040年には空を飛ぶかも? シビック50周年記念トークショー

  • 《写真撮影 雪岡直樹》
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ホンダは2022年、生誕50周年を迎える『シビック』を祝うイベントとして、東京のHondaウェルカムプラザ青山にて記念トークショーを行った。その中で2040年にはこんなシビックになっているかも。というデザインスタディもお披露目された。

1972年7月に発売が開始されたシビック。ウェルカムプラザでは1日から31日まで歴代シビックが展示される。(会期中に車両の入れ替えアリ)。その会場でトークショーが行われた。ゲストにはレーシングドライバーの谷口信輝選手とクルマ好きとして有名な俳優の中尾明慶さんが登壇。

第1部では現行の11代目シビックについてトークテーマが設けられ、シビックシリーズ開発責任者の山上智行氏、四輪インテリア担当デザイナーの清水陽祐氏、シャシー設計開発担当の三浦悠佑氏が登壇した。

「11代目は『爽快シビック』というグランドブランディングをテーマに開発が行われた。当初は『爽快』という言葉からなかなか、車に対してイメージが湧きにくかったが、ダイナミクスと爽快、そこに質の高い軽快感とスポーツ性能を合わせ込んでいき、最終的にこの仕様が出来上がってきた」という開発の大変さが語られた。

ちょうど発表されたばかりの『シビック e:HEV』も会場に展示され、「新開発の2.0L直噴エンジンと次世代HVを組み合わせたPHEV車は操縦安定性能もアップしているので、ぜひ体感していただきたい」とも語られた。

これについてジャーナリストとして今回呼ばれた谷口選手は「ガソリン車は以前に載ったこともあり、良いクルマだと思っている、今回PHEVが発売されたということで、どのような走りを見せてくれるのか非常に楽しみ」と語る。俳優の中尾氏も以前ガソリン車は乗ったことがありこちらも期待していると評価した。

開発陣からは「シビックはホンダの中心になる車両なので、担当するのは非常に大変で、何万人という関わっている人がいる。乗ったあとにニコッと笑ってくれる。そしてまた乗りたいと思ってくれることが大事」「シビックは人を中心に考えている。爽快という字の中にも人が中心にいる。長く乗ってもらえるように開発を行った」と語られた。

第2部は、未来のシビックについてテーマが設けられ、ハイブリッドシステム設計開発担当の小田切雄也氏、先進安全開発担当の新藤早紀氏、四輪エクステリア担当デザイナーの佐川正浩氏が登壇した。

ホンダは2040年に世界での販売を全てEV(電気自動車)とFVC(燃料電池車)にするという計画を発表しており、2040年、あと18年後にどうなっているかを語った。

開発陣からは異口同音に「安全と安心はもちろんのことだが、その中でいかにして楽しさを盛り込んでいくかが課題だと思う。自分たちの子供が免許を持って、乗って欲しいと思えるクルマを作れるかが課題。難題ではあるけど人間が想像できるものは実現できると思われるので、その課題に取り組んで行きたい」と語られた。

谷口選手も「モーターの性能などは向上しているので、あとはいかにバッテリーの性能をアップさせていけるか。いかに緻密なコントロールができるようになっていくか。その辺が乗っていて楽しさを感じる部分になっていくのでは」と語った。

未来のシビックというテーマが掲げられたことで、エクステリアデザイナーの佐川氏が、ある程度事前に考えてきた。という2040年ごろのシビックはこうなっているのではというデザインスタディのCGを披露した。会場にいた観客からはどよめきともいえる声がひびき、食い入るようにCGを眺め写真を撮っていた。

佐川氏は「スポーツシビックくらいの大きさをベースに考えて、かっこよさとクリーン、スポーツ、精悍さなどを盛り込んだ」と説明した。「2040年ごろの話として、空を飛ぶクルマの意見も多くもらうので、タイヤを外してドローンのようなプロペラをアタッチメントで交換して、空を飛ぶイメージも作ってみました」ということで、ドローンタイプのCGも披露された。

とはいえ、「デザインは5年後のトレンドを考えてクルマの開発を行うので、18年後なんて全く想像できないので、あくまでも自分の頭の中で考えたデザインの一つ」と注釈も付け加えられた。

事前に集められた質問や会場での質問も行われ、「コンパクトで安くてハイパワーなクルマが欲しい」という意見が多く集まった。開発陣も「その意見は痛感しているが、安全性などの基準も年々変わっているので、難しいところもあるがなるべく実現していきたい」と答えた。

最後に谷口氏は「知らなかったシビックの歴史も知れたし非常に楽しめた」。中尾氏は「子供の頃に、将来のクルマってこんななんだよねと、友達と想像していたような感覚が蘇って楽しかった」とトークショーの感想を語った。