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ジャガー「Cタイプ」、70年ぶりに復刻生産…最初の1台が完成
ジャガーカーズ(Jaguar Cars)は6月29日、誕生70周年を迎えたジャガー「Cタイプ」の復刻モデル、『Cタイプ・コンティニュエーション』の最初の1台が完成した、と発表した。
◆最初の1台はスターリング・モスがドライブした車両がモチーフ
ジャガーカーズは1951年、ジャガー『XK120』をベースにしたレーシングカー、Cタイプを開発した。3.4リットル直列6気筒ガソリンエンジンをチューブラーフレーム+オールアルミボディに搭載し、1951年と1953年のルマン24時間耐久レースで優勝し、ジャガーの名を世界に知らしめた。
その復刻モデルが、Cタイプ・コンティニュエーションで、8台を生産する予定だ。今回完成した最初の1台は、パステルグリーンのボディカラーにスエードグリーンのシートの組み合わせ。これは、スターリング・モスのドライブで、1952年の「Reims GP Meeting」を制したCタイプをモチーフにしている。
Cタイプ・コンティニュエーション組み立ては、高度なスキルを備えた職人が行い、3000時間を要する。完成した車両は、ジャガークラシックのエンジニアによるシェイクダウンテストを受けた後で、顧客の元に届けられる。
◆3.4リットル直列6気筒エンジンは最大出力220hp
ジャガーカーズは2022年内に、Cタイプ・コンティニュエーションを8台生産する予定だ。8台のCタイプ・コンティニュエーションには、1953年にルマン24時間耐久レースを制したワークスチームカーの仕様を反映させる。ウェーバー製のトリプルキャブレターを備えた3.4リットル直列6気筒ガソリンエンジンは、ハンドビルドされ、最大出力220hp/5800rpmを引き出す。トランスミッションは4速MT。ディスクブレーキも装備される。
これまでにジャガークラシックが手がけた『Eタイプ』、『XKSS』、『Dタイプ』のコンティニュエーションプログラムで得られたノウハウに基づいて、ジャガークラシックのエンジニアは、ジャガーのアーカイブとオリジナルのCタイプからスキャンしたデータを、最新のコンピューターシステムで解析した。これは、可能な限りオリジナルに忠実なCタイプを製作するためだという。
マルコム・セイヤー、コンペティションマネージャーのロフティ・イングランド、エンジニアのウィリアム・ヘインズ、ボビー・ナイト、ノーマン・デュイスなど、オリジナルのCタイプの開発チームによって作成された元の設計図とジャガーカーズが保有するアーカイブにアクセスすることにより、1953年のオリジナル仕様が正確に再現されるという。
◆塗装プロセスは完了するのに1週間
さらに、エンジニアリングCADデータを一歩進めて、ジャガークラシックは初めて、特別なオンラインコンフィギュレーターを使用して、仮想的にCタイプ・コンティニュエーションの実車イメージを確認する機会を顧客に提供する。この新しいツールを利用すると、顧客はCタイプ・コンティニュエーションに用意される12のエクステリアカラーと8つのインテリアカラーの中から、カラーとトリムオプションを比較したり、オプションのレーシングラウンド、ステアリングホイールバッジ、ボンネットバッジを装着した姿を確認したりすることができるという。
ボディカラーは、スエードグリーン、クリーム、パステルブルー、ブリティッシュレーシンググリーンなど、12色から選ぶことができる。最新の水性塗料を使用して、細心の注意を払った塗装プロセスは、完了するのに1週間かかるという。インテリアは、レザーシートのカラーが8色から選べる。オリジナルのルーカス製バックミラーやスミスの時計&ゲージ、15インチのブルーメル製ステアリングホイールを装備した。
Cタイプ・コンティニュエーションには、FIA(国際自動車連盟)公認のハーネスシステムやロールオーバープロテクションを用意した。これにより、ルマン、スパフランコルシャン、シルバーストンで開催される「ジャガークラシックチャレンジ」を含むすべてのFIAヒストリックイベントに参加する資格が得られる。
◆1951~1953年にかけて53台が生産されたCタイプ
オリジナルのCタイプは1951年から1953年にかけて、53台が生産された。53台のうち、43台は個人向けに販売された。当時生産されたCタイプの市販モデルは、ツインSUキャブレター付きエンジンにドラムブレーキを組み合わせていた。
当時のモータースポーツにおいて革新的なディスクブレーキ技術を採用。ジャガーとダンロップによって開発されたディスクブレーキを装着したCタイプは、フランスのランスグランプリにおいて、スターリング・モスにディスクブレーキ搭載車初の勝利をもたらしている。