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10台限りのブガッティ、最初の1台が完成…最高速380km/hの『チェントディエチ』

  • 《photo by Bugatti》
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ブガッティは6月14日、世界限定10台を生産する予定の新型ハイパーカー『チェントディエチ』(Bugatti Centodieci)の最初の1台が完成した、と発表した。間もなく、顧客に届けられる予定だ。

◆創業110周年記念モデルの『EB110』へのオマージュ
チェントディエチは、ブガッティの創業110周年記念モデルであり、ブガッティが1990年代に生産した『EB110』へのオマージュとして開発された。車名のチェントディエチとは、イタリア語で110を意味している。

EB110は1991年に発表され、ブガッティブランドの復活を印象づけたスーパーカーだ。EB110には、パワーアップ版として「SS」が用意されていた。車名のSSとは、「スポーツ・ストラダーレ」の略だ。3.5リットルの排気量を備えたV型12気筒ガソリンエンジンに、4個のターボチャージャーを組み合わせ、最大出力611psを獲得していた。6速MTを介して、0~100km/hを3.2秒で駆け抜けるというスーパーカーだった。

EB110は、イタリアのカンポガリアーノで生産された。ブガッティの元オーナーのロマーノ・アルティオーリは、ブガッティを創業したエトーレ・ブガッティの生誕109年の1990年9月15日、イタリアに工場を開設した。そしてアルティオーリは翌1991年、エトーレ・ブガッティの110歳の誕生日に、スーパースポーツカーのEB110を公開した。

◆シロンをベースに専用ボディをデザイン
ブガッティによると、チェントディエチの開発と設計に関しては、多くの技術的課題に直面したという。EB110は1980年代後半に開発されており、非常にフラットで、くさび形の古典的デザインが特徴だ。一方、チェントディエチのベース車両の『シロン』は、複雑なエアロダイナミクスフォルムを備えており、シロンベースでEB110のようなデザインを構築することに苦労したという。

フロントには、馬蹄形のラジエーターグリルを装着した。新開発のフロントスポイラーは、フロントバンパーの3分割エアインテークに似合うようにデザインされた。ノーズは非常に低く、象徴的なブガッティホースシューは、低いノーズに合わせて小型化された。これらのデザイン要素により、EB110のモチーフを再現しているという。LEDデイタイムランニングライトを組み込んだヘッドランプは、スリムなデザインが特長だ。

ボディサイドでは、BピラーのCラインが、シロンよりも大幅にコンパクト化された。5つの丸型エアインサートを、ダイヤモンドの形で配置した。W16気筒エンジンの冷却に、充分なエアインテークを備えている。

◆最大出力1600hpのW16気筒+4ターボエンジン
チェントディエチのミッドシップに搭載されるパワートレインは、シロンの8.0リットルW16気筒+4ターボがベースのエンジンだ。オイルクーラーに吸気口を追加することにより、エンジンの冷却性能を引き上げるなどの専用チューンを受けた。最大出力は1500hp/6700rpmから、1600hp/7000rpmに、100hp向上している。

トランスミッションは7速デュアルクラッチ「DSG」で、駆動方式は4WDだ。チェントディエチはシロンに対して20kg軽量化されており、0~100km/h加速2.4秒、0~200km/h加速6.1秒、0~300km/h加速13.1秒の性能を発揮する。最高速は380km/h(リミッター作動)に到達する。

なお、チェントディエチは残る9台を順次、フランス・モルスハイムで、ハンドメイドで組み立てる計画だ。価格は800万ユーロ(約11億2800万円)だが、10台は完売。最初の1台は、『EB110 GT』も所有するオーナーの意向で、同じブルーのボディカラーで塗装されている。