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【レクサス RX 新型】「RXも対話ができるクルマでなければ」開発エンジニアの挑戦
トヨタ自動車の高級車ブランド「レクサス」の中で世界最多販売モデルとなっているSUV『RX』の第5世代が、日本でお披露目された。デザイン面では超のつくコンサバなフルモデルチェンジのように感じられる新型RXだが、「中身は変革への挑戦だった」とは開発責任者、大野貴明氏の弁。
「目指したのは過去のRXの延長線上ではない、ドライバーとクルマが対話のできるクルマ作りでした。クルマの動きを素直にするにはまず、クルマのレイアウトを理にかなったものにすること。クルマのベースが世代の新しいGA-K(エンジン横置きの中大型車用TNGAアーキテクチャ)になったことでショックアブゾーバーの減衰力をきちんと使えるようになったことはプラスだったのですが、アンダーステアを抑えて意のままの操縦性に仕立てるには大変な熟成期間を要しました」(大野氏)
テスト車を初めて試験コースで走らせたとき、ハンドルを握った豊田章男社長は「やっぱりRXはアメリカンラグジュアリーなのかなあ」と言ってその場を立ち去ったが、直後に戻ってきて「いや、やっぱりRXも対話ができるクルマでなければダメだ」と言ったという。
2015年に登場した現行RXは路面衝撃の当たりは柔らかいが、ホイールの振幅が大きくなったときのストロークのスムーズさに難があり、揺すられ感が強まる傾向があった。そのことは開発陣も認識しており、「ドライバーの予測と実際のクルマの動きのズレを徹底的に削減しました。クルマの質感としてはジャンプアップできたと思う」(大野氏)
第5世代RXが走り出すのはもう少し先(2022年秋頃)のことだが、どのような動的質感を実現させているか、大いに楽しみなところだ。