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BMW 8シリーズ のアートカー、新車価格の5倍=47万5000ドルで落札
BMWは4月5日、『8シリーズ・グランクーペ』改良新型がベースのアートカーとして、世界限定99台を生産する「THE 8 X JEFF KOONS」の最初の1台が、慈善目的のオークションにおいて、47万5000ドル(約5890万円)で落札された、と発表した。
47万5000ドルの落札価格は、ベースグレードの「M850i xDrive」の米国ベース価格9万9900ドル(約1240万円)のおよそ5倍となる。
◆40年以上の歴史を持つBMWアートカー
「BMWアートカー」は、レーシングカーのドライバーでアートに造詣の深いフランス人、エルヴェ・プーランとBMWモータースポーツ社の創始者であるヨッヘン・ニーアパッシュが共同で企画したのが始まりだ。1975年にプーラン氏が所有するBMWのレーシングカーのデザインをアレクサンダー・カルダーに依頼したことをきっかけに誕生した。
それ以降、世界中の著名な芸術家19人が、それぞれの時代のBMWをデザインした。BMWアートカーには、アレクサンダー・カルダーのBMW 『3.0 CSL』(1975年)、マイケル・ジャガマラ・ネルソンのBMW 『M3』(1989年)、ケン・ドーンのBMW M3(1989年)、加山又造のBMW『535i』(1990年)、エスター・マフラングのBMW 『525i』(1991年)、ジョン・バルデッサリのBMW 『M6 GTLM』(2016年)などがある。
いずれも異質な芸術表現で、アート、デザイン、テクノロジーの文化的、歴史的な発展を反映したものとなっている。BMWグループは、世界的に有名な団体やアーティストとパートナーシップを組み、文化の支援と促進に取り組んでいる。相互の尊重と好奇心を通じて、BMWは物理的にも仮想的にも、文化を通じて世界中の人々を結びつけている。BMWは異次元のメディアを探求することで、アートの物理的な限界を押し広げることを目指している。
◆11種類のエクステリアカラーを組み合わせ
BMWは、アーティストのジェフ・クーンズ氏と協力して、8シリーズ・グランクーペ改良新型がベースのアートカーのTHE 8 X JEFF KOONSを発表した。ジェフ・クーンズ氏のBMWアートカーは、2010年の『M3 GT2』以来、およそ12年ぶり。今回のアートカーは、少量限定のコレクターズエディションとして、世界限定99台を生産するのが新しい試みだ。
THE 8 X JEFF KOONSでは、正確さや洗練さ、クラフトマンシップを具現化することを重視した。車体には200時間以上をかけて、マルチレイヤー塗装が施される。表現力豊かで印象的なデザインは、ブルー、シルバー、イエロー、ブラックなど、11種類のエクステリアカラーを組み合わせている。
THE 8 X JEFF KOONSは、1週間あたり4台のみが生産される予定だ。マルチカラーのインテリアには、ハイエンドの素材、上質な革、エディションのエンブレムが装備され、カップホルダーの蓋にはアーティストのサインが添えられる。
シートは、BMW Mカラーの赤と青で仕上げられる。コミックブックの世界のスーパーヒーローとBMW Mの色を反映している。爆発するような色のラインは、2010 年のBMWアートカー、M3 GT2へのオマージュだ。「POP!」の文字と蒸気推力の表現は、THE 8 X JEFF KOONSのパワーとスピードを象徴しているという。
◆V8ツインターボは最大出力530hp
THE 8 X JEFF KOONSのベースとなるのは、改良新型8シリーズ・グランクーペの頂点に立つM850i xDriveグレードだ。直噴4.4リットルV型8気筒ガソリンツインターボエンジンを搭載する。Mパフォーマンスのツインパワーターボテクノロジーを導入しており、力強い出力特性を実現する。最大出力530hp/5500~6000rpmを獲得する。最大トルクは76.5kgm/1800~4600rpmで、幅広い回転域で最大トルクを得られる特性とした。
トランスミッションは、パドルシフト付きの8速AT「ステップトロニック」で、走行状況に応じてシフトタイミングを制御する。駆動方式は4WDの「xDrive」。フラップ制御式スポーツエキゾーストシステムが、官能的なサウンドを発するという。0~100km/h加速は3.9秒、最高速は250km/h(リミッター作動)の性能を備えている。
なお、ニューヨーク・クリスティーズでオークションに出品されたのは、ジェフ・クーンズ氏のサインが添えられたTHE 8 X JEFF KOONS。落札価格から得られる収益はすべて、児童失踪・児童虐待国際センターに寄付される、としている。