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メルセデスAMG SL に頂点「63」、V8ツインターボは585馬力…欧州受注開始

  • 《photo by Mercedes-Benz》
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メルセデスベンツは3月22日、メルセデスAMG『SL』(Mercedes-AMG SL)の最上位モデル、「SL63 4MATIC+」の欧州受注を開始した。ドイツ本国でのベース価格は、18万7097ユーロ(約2500万円)と発表されている。

メルセデスAMG SLは、メルセデスベンツ伝統のロードスター、『SL』の後継モデルだ。モデルチェンジを機にAMGモデルとなり、車名がメルセデスベンツSLから、メルセデスAMG SLに変更されている。

◆0~100km/h加速3.6秒で最高速は315km/h
メルセデスAMG SLの頂点に立つのが、SL 63 4MATIC+グレードだ。直噴4.0リットルV型8気筒ガソリンツインターボエンジンの高出力版を搭載する。2基のターボチャージャーをV型シリンダーバンクの外側ではなく内側に配置する「ホットインサイドV」レイアウトとした。

新設計のオイルパン、新レイアウトのインタークーラー、アクティブクランクケースベンチレーションを採用した。吸気ダクトと排気ダクトも最適化されており、触媒コンバーターボックスとガソリンパティキュレートフィルターへの排気ガス流量を拡大している。

最大出力は585hp/5500~6500rpm、最大トルクは81.6kgm/2500~5000rpmを発生する。トランスミッションは9速の「AMGスピードシフトMCT 9G」、駆動方式は4WDの「4MATIC+」の「AMGパフォーマンス」仕様。 0~100km/h加速は3.6秒で駆け抜け、最高速は315km/hに到達する。

◆11.9インチのマルチメディアタッチスクリーン
センターコンソールは、前方に向かって上昇し、インストルメントパネルの下側に流れ込む。中心には、金属パネルが配された。輪郭が「NACA(アメリカ航空諮問委員会)ダクト」と呼ばれるエアインテークの形になっており、このデザインは、メルセデスAMG GTシリーズから受け継がれたものだ。

NACAダクトは、ほぼシームレスに11.9インチのマルチメディアタッチスクリーンに縦向きにつながる。オープン走行時の太陽光による反射を避けるために、このディスプレイはより垂直な角度に、電動調整できる。タッチスクリーンは、2つの中央タービンノズルの間に浮かんでいるように見えるデザインとした。

センターコンソールと同様に、ドアトリムも、インストルメントパネルから連続的に見えるデザインとした。室内側のドアハンドルも、センターコンソールと同じように設計されている。ドアトリムの素材とデザインは検討が繰り返され、インテリアのバランスを追求した。ハイエンドオーディオ専門メーカー、ブルメスター社の金属製スピーカーがドアに組み込まれている。

◆「MBUX」にメルセデスAMG専用のコンテンツ

第2世代の「MBUX(メルセデスベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)」システムの一部の機能や構造は、新型『Sクラス』と共通だ。メルセデスAMG SLでは、メルセデスAMG専用のコンテンツと表示スタイルを採用している。

メルセデスAMG SLには、専用メニューとして、「パフォーマンス」や「トラックペース」などが追加され、スポーティなキャラクターを強調している。ハードウェアとソフトウェアが大幅に強化されており、LCDディスプレイの鮮やかな表示により、車両や快適機能のコントロール性を高めており、直感的に操作できるという。

ドライバー正面のディスプレイと、ダッシュボード中央のディスプレイは、視認性と見た目の美しさを重視している。インストルメントクラスターは、さまざまな表示スタイルと個別に選択可能なメインビューで、カスタマイズできる。

◆SLの70年の歴史で初の4WD採用
SLの70年の歴史において初めて、メルセデスAMG SL は駆動方式を4WDとした。AMGパフォーマンス仕様の4MATIC +を標準装備。この4MATIC +は、フロントアクスルとリアアクスルのトルク配分を変化させることにより、最適なトラクションを確保する。ドライバーは、あらゆる走行条件下において、高いハンドリングの安定性を維持できるという。

また、SL史上初めて、アクティブリアアクスルステアリングを標準装備した。速度が100km/h以下の場合、後輪は前輪と反対方向に操舵され、100km/hを超えると、後輪は前輪と同じ方向に操舵される。これにより、機敏で安定したハンドリングを可能にした、と自負する。

SL 63 4MATIC +には、新開発の「AMG ACTIVE RIDE CONTROL」サスペンションを初搭載した。従来の機械式アンチロールバーに代えて、アクティブ油圧システムが採用された。これにより、ロールを数分の1秒で補正し、直進時や段差を乗り越えたときの乗り心地を向上させた、としている。