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メルセデスAMG最速の4ドアクーペ、F1メディカルカーに…後席もバケットシート
メルセデスベンツの高性能車部門のメルセデスAMGは3月8日、メルセデスAMG『GT 63S 4MATIC+』(Mercedes-AMG GT 63S 4MATIC+)が、2022年シーズンのF1の公式メディカルカーに起用されると発表した。
◆後席もレーシングバケットシートに
F1公式メディカルカーには、メルセデスAMGが特別に開発したカーボンファイバー製のルーフライトバーが装備されており、フラッシュライトが取り付けられている。リアウィングは固定式だ。リアウィングのブレードは、最大のダウンフォースを獲得するために、最も急な角度で固定されている。市販モデルにオプションのエアロパッケージが装着された。ブライトレッドは、メルセデスAMGのシグネチャーカラーだ。
F1公式メディカルカーは、事故が発生した場合、医療従事者ができるだけ早く事故現場に到着し、すぐに応急処置を行う。室内は4シーター化され、すべてレーシングバケットシートに。前席に6点式ベルト、後席に4点式ベルトが付く。最大限の安全性を確保するために、シートコンソールは車両の床に溶接され、ロールケージを組み込む。センターコンソールに各種スイッチを配置した。
レース状況を監視するために、助手席側のダッシュボードには2つのタブレット端末とルームミラー型のモニターが装備された。1つの画面で、F1のレース中継を見ることができる。もうひとつの画面には、各F1マシンの位置が表示される。車内は、無線LAN通信が可能なホットスポット化されている。トランクの中には、AED(自動体外式除細動器)、呼吸装置、レスキューカッター、消火器などの非常用機器一式が搭載されている。
◆4.0リットルV8ツインターボは最大出力639hp
メルセデスAMG GT 63 S 4MATIC+ 4ドアクーペのパワートレインは、直噴4.0リットルV型8気筒ガソリンエンジンを、2個のターボで過給したユニットだ。スポーツカーの『メルセデスAMG GT』譲りのこのエンジンは、最大出力が639hp/5500~6500rpm、最大トルクが91.8kgm/2500~4500rpmへ引き上げられる。
トランスミッションは、9速の「AMGスピードシフトMCT 9G」。駆動方式は4WDで、AMGパフォーマンス仕様の4MATIC+となり、駆動トルクの可変配分が可能だ。メルセデスAMG GT 4ドアクーペの63S 4MATIC+は、0~100km/h加速3.2秒、最高速315km/hの優れた動力性能を実現した。F1史上、最強かつ最速のメディカルカーになるという。
マルチチャンバーを備えた「AMG RIDE CONTROL+ エアサスペンション」を標準装備した。コーナリング時やブレーキング時には、硬いスプリングレートに瞬時に切り替えることで、高い安定性と俊敏なハンドリングを実現する。さらに、走行状況に合わせて四輪それぞれを電子制御する連続可変ダンピングシステムを採用した。また、ボタンを押すことで車高を上げ、駐車場のスロープなどを通過する際に配慮している。
◆AMGリアアクスルステアリング
「AMGリアアクスルステアリング」を採用する。このシステムは、アジリティと安定性の両立をさらに進化させることにより、AMG GT 4ドアクーペのダイナミズムと走行安全性を強化する。
速度が100km/h以下では、電動アクチュエーターモーターの働きでリアホイールをフロントホイールとは逆方向に最大1.3度操舵する。これによりコーナー進入時のアジリティが大幅に高まるほか、日常の走行シーンでは回転半径が小さくなるため、車両が扱いやすくなる。
速度が100km/hを超えると、リアホイールをフロントホイールと同じ方向に最大0.5度操舵することで、走行安定性を大きく高める。同時に、方向を変える際、リアホイールに働く横Gの増加ペースが高まり、ステアリング操作に対するレスポンスが改善される。また、素早くステアリングを操作しても、通常のようにリアが外側に流れる傾向を見せず、優れたリアグリップと安定性が得られるという。