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【VW ID. Buzz】復活のワーゲンバスに『カーゴ』…実用的な荷物スペース
フォルクスワーゲンは3月9日、新型EVの『ID.Buzz』の商用バージョン「ID.Buzzカーゴ」(Volkswagen ID.Buzz Cargo)を欧州で発表した。
◆前席と荷室の間に固定式のパーティション
ID.Buzzカーゴでは、エアロダイナミクスを追求したデザインを採用する。前面空気抵抗を示すCd値は0.29とした。これにより、エネルギー消費が削減され、航続を拡大する。
欧州での発売当初、全長4712mm、ホイールベース2988mmの標準ボディが導入される。2988mmのホイールベースは、フォルクスワーゲンの内燃エンジン搭載の主力商用車の『T6』比較として、2mm違うのみ。一方、T6の全長4904mmに対して、ID. Buzzカーゴの全長は192mm短い。これにより、T6と同様の室内長を維持しながら、より小さな駐車スペースに停めることができるという。また、ID.Buzzカーゴの全幅は1985mmで、『T6』よりも81mmワイドだ。全高は1938mmで、T6の全高1970mmと比較して、およそ30mm低くしている。
後席がなく、乗車定員は前席がセパレートの場合は2名、前席がベンチシートの場合は3名となる。前席と荷室の空間を分ける固定式のパーティションが装備される。このパーティションには、前席から荷室が確認できる窓ガラスが付く。ID.Buzzカーゴは3.9立法mの荷室容量を備えている。荷室フロアには、欧州で一般的な貨物規格の「ユーロパレット」を2個、横方向に積載し固定することができる。
◆「Car2X」による警告システムを搭載
最新の先進運転支援システム(ADAS)を搭載する。そのひとつが、「Car2X」による警告システムだ。他の車両や信号機などのインフラストラクチャから得られたデータを利用して、進行方向の危険をリアルタイムで検知し、その情報をドライバーに送信する。
また、自動ブレーキシステムの「フロントアシスト」も標準装備した。フロントアシストは、全速度域において、レーダーで前方の車両との距離を検知。衝突の危険が予測される場合には、制動距離の短縮化を図るため、ブレーキ圧を高めてスタンバイ状態を保持するとともに、ドライバーに警告音と警告灯による注意喚起を行う。その際、ドライバーが回避操作を行わない場合には、システムが自動で車両を減速させて衝突の被害を軽減する。
オプションで、スウォームデータを活用した「トラベルアシスト」が選択できる。これにより、高速道路での車線変更を含めて、全速度域で部分的な自動運転を可能にする。また、以前に走行したルートのデータを保存して、自動駐車の際に活用するメモリー機能を採用している。
◆モーターは最大出力201hp
フォルクスワーゲングループの新世代EV向けのモジュラー車台「MEB」をベースにする。そのアーキテクチャは、ソフトウェアとテクノロジーのさらなる開発を可能にする。ID.Buzzカーゴは将来、無線アップデートによって車載のソフトウェアとテクノロジーを進化させていく。
モーターはリアアクスルに搭載する。最大出力201hp、最大トルク31.6kgmを引き出す。最高速はリミッターによって、145km/hに制限される。バッテリーはリチウムイオンで、蓄電容量は82kWh(正味容量は77kWh)とした。
ID.Buzzカーゴを含めたID.Buzz全車が、フォルクスワーゲンコマーシャルビークルのドイツ・ハノーバー工場で生産される。EVパワートレインは、フォルクスワーゲングループコンポーネントによって製造される。2022年からハノーバー工場は、EV生産におけるフォルクスワーゲングループの最新拠点のひとつになる。フォルクスワーゲンコマーシャルビークルが将来、より多くの電動モデルを販売できるようにするために、変革プロセスを進めている。