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VW ID. BUZZとワーゲンバスとプラッテンバーゲン…フォトヒストリー
まもなくフォルクスーゲンから、フル電動EVの新型ミニバン『ID. BUZZ』の市販バージョンが登場する。そのデザインは、1950年に登場した『タイプ2』ミニバン、いわゆる“ワーゲンバス”と共通するところが多い。
ワーゲンバスは、タイプ1『ビートル』に続くVWの2車種目、商用バンとして1950年に誕生した。短いオーバーハング、適切な車重配分、低い重心、そして後輪駆動といったID. BUZZの特徴は、タイプ2で確立された。以来70年間、「最小の空間を最大に活用する」ための改良が重ねられた。
タイプ2はのちに『トランスポーター』(ドイツ語に近づけるなら「トランスポルター」)の車名を得て世代を重ね、T1、T2……、と呼ばれるようになった。乗用の『キャラバン』や『バナゴン』も派生した。ワーゲンバスあるいはワーゲンマイクロバスと呼ばれるのは、だいたいトランスポーターのT1とT2だ。
タイプ2の誕生のきっかけは1947年、オランダのVWインポーターだったベン・ポンが、ドイツのウォルフスブルク工場を見学したときにある。工場でポンは“プラッテンバーゲン”を目にする。プラッテンバーゲン=プラットフォームトラックは、タイプ1の足回りに平らな荷台を架装し、後方のエンジンの上に運転席を設けた、構内専用の運搬車だった。このプラッテンバーゲンを元にポンは商用車を思いつき、VWに後のトランスポーターとなる車の開発を提案することになる。