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フォードのEVピックアップトラック、住宅の電源に…最長3日間

  • 《photo by Ford Motor》
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フォードモーターは2月2日、EVピックアップトラックのフォード『F-150ライトニング』(Ford F-150 Lightning)に、住宅に電力を供給する機能を採用すると発表した。EVピックアップトラックとしては、米国初の機能になるという。

◆太陽光発電との併用なら最長10日間の電力供給が可能
このシステムは、F-150ライトニングの車載バッテリーを活用する。フォードモーターは、米国の大手ソーラー企業のサンラン社と提携を結んだ。フォードモーターとサンラン社は、EVがさまざまな方法で住宅向けに電力を貯蔵・供給することを可能にする80アンペアのシステムを共同開発した。

「フォード・インテリジェント・バックアップ・パワー」と命名されたシステムは、F-150 ライトニングに初めて採用される。同車の双方向充電技術を利用して、停電時などに住宅に電力を供給することができる。F-150 ライトニングのバッテリーシステムは、最大で131kWhの電力を蓄電できる。ガソリン発電機と比較して、よりクリーンで、より静かで、より効率的な方法で、最大9.6kWの電力を供給できるという。

停電が起きた場合、F-150ライトニングが自動的にシステムを起動させて、住宅に電力を供給する。停電が復旧すると、システムは自動的に元の電源に戻る。1日あたり30kWhの電力を使用する米国の平均的な家庭では、F-150 ライトニングは最長3日間、太陽光発電などと組み合わせて使用した場合は最長10日間、電力を供給できるという。

◆563hpのツインモーター搭載
F-150ライトニングには、フォードモーターの最新の電動化テクノロジーが搭載されている。前後アクスルに搭載されるモーターは標準モデルが最大出力426hp、上位モデルが最大出力563hp。最大トルクは、どちらも107.2kgmを引き出す。強力なツインモーターは4輪を駆動し、上位モデルの場合、0~96km/h加速4秒台半ばの性能を発揮する。最大積載能力は標準モデルで約900kg。牽引能力は上位モデルで4.5トン以上を目標に掲げている。フォードモーターによると、重心が低いため、悪天候や路面状況の悪い場所でも、自信を持って運転できるという。

バッテリーは新世代の水冷式リチウムイオンだ。バッテリーの蓄電容量には2種類があり、1回の充電での航続は標準モデルが約370km、上位モデルが約483km(いずれもEPA認定予定値)となる。

デュアルオンボード充電システムを利用すれば、自宅での高速充電を可能にする。フル充電にかかる時間は約8時間。外出先では、北米最大の公共充電ネットワークに「FordPass」を通じてアクセスできる。全米の6万3000か所以上の充電ステーションでは、最大出力150kWでDC急速充電が行える。10分で最大約87kmの航続に必要なバッテリー容量を充電可能。約40分でバッテリーの80%を充電できる。

◆15.5インチの大型タッチスクリーン
F-150ライトニングには、最新のコネクティビティとして、「SYNC 4A」が初採用される。これは、15.5インチの大型タッチスクリーンを核としたシステムだ。SYNC 4Aは、自然な音声コントロール、クラウドに接続されたナビゲーション、Apple 「CarPlay」、グーグルの「Android Auto」へのワイヤレスアクセス、アマゾン(Amazon)の「アレクサ(Alexa)」や「SYNC AppLink」アプリの車載化を実現している。

ドライバー正面には、12インチのデジタルインストルメントクラスターを採用した。重要な情報を表示するとともに、カスタマイズ可能なインターフェイスを備えている。アニメーショングラフィックスには、回生ブレーキによるバッテリーへの蓄電状況など、各種情報を分かりやすく表示する。

また、一部のグレードでは、「Phone As AKey」が選択できる。スマートフォンをポケットから取り出すことなく、車両のロックやロック解除が行え、EVパワートレインを起動することもできる、としている。