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架空の公道レース、MFゴースト仕様のトヨタ GR 86…東京オートサロン2022に現る
『MFゴースト』は『ヤングマガジン』(講談社)で連載中の公道レース漫画。作画しげの秀一とくればこれは間違いない内容だ。その世界観でチューニングされた現物の車両が『MFGコンセプト』だ。MFGコンセプト(ヤングマガジン)が東京オートサロン2022に出展した。
MFゴーストは、自動運転などが普及した近未来、ガソリンエンジン車による公道レース「MFG」を舞台にした物語。主人公が駆る車両は「86GT」だ。MFGコンセプトは、この車両を実際に作ったらどうなるか。どんなパーツ、どんなセッティングになるのか、を追求するというもの。MFGのレギュレーションは、車重に応じたタイヤサイズ(幅)が作中では明確になっているが、それ以外の詳細は不明だ。だからといって、MFGコンセプトはなんでもありのチューニングをしているわけではない。パーツは市販品または市販を想定して開発される。また、原作の世界観を崩さないように純正タイヤサイズを前提に、オールマイティな設計を目指す。
MFGコンセプトで、車両設計、セッティングのアドバイザーを務めるのが、GT選手権などで活躍する織戸学選手。オートサロンの会場で話を聞くことができた。
–:新型GR 86でもMFGコンセプトの車両が完成しました。今回目指したところはどんなところですか。
織戸選手:新型は、エンジンが2.4Lになったことでネガティブな要素がなくなりました。ボディ剛性アップ、ルーフなど上部の軽量化も進み、ベース車が旧型よりかなり進化しています。その中でさらにカスタマイズするのですが、狙いはあくまでストリートなのでやりすぎないようにしました。
方向性は、持っているポテンシャルをアップさせることです。全体のバランスを考えたセッティングになっています。
–:MFGコンセプトではどんな改造がされる(パーツが用意される)のでしょうか。
織戸選手:タイヤ、車高調整式ダンパーと専用サスペンション、クラッチ、バケットシート、タイヤ、専用ホイール、ブレーキパッド、そしてオイルです。公道レースでは峠道もあるので下でブレーキがヘタらないように性能アップさせています。サスは、伸び側のみ調整可能なタイプで乗り心地も考えたセッティングをしました。
–:苦労した点はありますか。
織戸選手:素材の出来が良いのでどのパーツも組み込みやすくあまり苦労したところはなかったと思います。ただ、新型はトレッドが大きくなりまた。ホイールのオフセットの関係で使えるホイールやタイヤが限られていた点は悩みました。リアタイヤをフェンダーからはみ出させないようにするのに苦労したくらいです。