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ブガッティ シロン をカスタム、伝説のドライバーに敬意…新プログラム発表

  • 《photo by Bugatti》
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ブガッティ(Bugatti)は12月9日、カスタマイズプログラムの「シュールメシュア」を発表した。最初の顧客向けの1台として、『シロン・ピュアスポーツ』をベースにした『シロン・ピュアスポーツ3』を発表している。

◆ボディカラーとレザー仕上げの組み合わせはほぼ無制限
シュールメシュアでは、ハンドメイドのインテリアや塗装仕上げ、刺繡、ボディワークなどを、熟練したデザイナーとエンジニアが施す。ブガッティの顧客のニーズを満たすための新しいカスタマイズプログラムが、シュールメシュアだ。

顧客は、シュールメシュアの専任チームから、1対1のサポートが受けられる。ブガッティをカスタマイズする場合、ボディカラーとレザー仕上げの組み合わせは、ほぼ無制限という。

さらに一歩進んで、世界に1台のパーソナライズされたブガッティに仕上げる場合には、シュールメシュアプログラムから自由に選択できる。初期の設計コンセプトから車両の製造、最終的な引き渡しまで、顧客はブガッティならではの体験が可能という。

◆ブガッティのレーシングドライバーのルイ・シロンに触発
シュールメシュアでは、最初の顧客向けの1台として、有名なレーシングドライバーのルイ・シロンに触発されたシロン・ピュアスポーツ3を発表した。ルイ・シロンは、ブガッティの初期のプロトタイプレーシングカーを操った伝説的レーシングドライバーだ。ルイ・シロンの精神が、シロン・ピュアスポーツ3のカスタムデザインの源になったという。

ブガッティのステアリングホイールを握ったルイ・シロンの数々の栄光のひとつが、フランスGPでの1931年の勝利だ。車体に「32」の数字が添えられたブガッティ『タイプ51』で、フランスGPを制している。

シロン・ピュアスポーツ3の車体には、手作業で32の数字が描かれた。1920~1930年代の伝説的なグランプリレースでのブガッティの活躍に敬意を表して、2種類の新しいボディカラーも開発された。また、ブガッティのシュールメシュアチームは、手作業で細心の注意を払いながら、新しいフェージング「EB」ペイントパターンを開発した。これには、シュールメシュアチームが手がけた新技術とプロセスが必要だったという。

インテリアでは、「32」と「グランプリ」の文字が、シルバーの手描きの刻印が施されたブラックアルマイトアルミ製のセンターコンソールインレイをはじめ、キャビン全体に施された。この文字はドアシル、ヘッドレスト、エントリーライトにも入っている。

◆8.0リットルW16気筒+4ターボは1500hp
ミッドシップには、2ステージターボ化された8.0リットルW16気筒+4ターボエンジンを搭載する。最大出力は1500hpと変わらないが、発生回転数は6700rpmから6900rpmへ、200rpm引き上げられた。最大トルクは、163kgm/2000~6000rpmと変わらない。

7速デュアルクラッチの「DSG」は、全体のギア比を15%クロスレシオ化した。駆動方式は4WDだ。ブガッティによると、60~120km/hの中間加速は、ベース車両に対して3秒短縮しているという。最高速は350km/hでリミッターが作動する。

4種類のドライブモードに加えて、「スポーツ+」モードが採用された。通常のスポーツモードよりも、サーキット寄りの設定となっており、高速コーナーでもドリフトできる理想的なラインを走行できるという。

◆ワインディング向けの足回り
ブガッティは、とくにワインディングロードで本領を発揮するシャシーとサスペンションを、シロン・ピュアスポーツ向けに開発している。快適性を犠牲にすることなく、フロントに65%硬いスプリング、リアに33%硬いスプリングを採用した。アダプティブダンピングのコントロール、キャンバー値の変更(マイナス2.5度)により、さらにダイナミックなハンドリングを追求している。

フロントとリアのカーボンファイバー製スタビライザーは、さらにロールを最小限に抑える。ばね下重量は、19kg軽量化された。この19kgは、16kgにおよぶ車輪の軽量化に加えて、チタン製ブレーキパッドのベースパネルによる2kgの軽量化、ブレーキディスクの1kgの軽量化を合計したものだ。また、シャシー、サスペンション、ボディの接合部分の剛性を、フロントで130%、リアで77%強化することにより、路面への接地性を向上させている。

タイヤは、ミシュランが新開発した高性能タイヤ「スポーツカップ 2 R」だ。フロントが285/30R20、リアが355/25R21サイズを履く。新素材のコンパウンドのおかげで、高いコーナリングスピードでも優れたグリップ力を発揮する、としている。