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DS 3クロスバック「E-TENSE」、航続は341kmに拡大…2022年型を欧州発表
DSは11月23日、『DS 3クロスバック E-TENSE』(DS3 CROSSBACK E-TENSE)の2022年モデルを欧州で発表した。フランス本国でのベース価格は、環境助成金を適用して、3万1600ユーロ(約406万円)だ。
DSはブランド立ち上げ以来、『DS 3』、『DS 3カブリオ』、『DS 4』、『DS 4クロスバック』、『DS 5』、『DS 7クロスバック』と、順次車種ラインナップを拡大してきた。DS 3クロスバックE-TENSEは、『DS 3クロスバック』のEV版だ。
DSブランド第2世代のDS 7クロスバックに続く第2弾モデルに位置づけられるのが、DS 3クロスバック。都市生活者のためのコンパクトカーであると同時に、長距離移動を可能とする二面性を備えることを目標に開発された。
◆コンチネンタル製の低転がり抵抗タイヤ装着
DS3クロスバックE-TENSEの2022年モデルには、最大出力136hp、最大トルク26.5kgmを発生するモーターを引き続き搭載する。0~50km/h加速3.3秒、0~100km/h加速8.7秒の性能を発揮する。バッテリーは、引き続き蓄電容量50kWhのリチウムイオンだ。
ヒートポンプに効率を高めるために、湿度センサーを採用した。新開発のヒートポンプは、圧縮によって熱を発生する。これにより、エネルギー消費量が大幅に削減されるという。
コンチネンタルが開発した新しい17インチA規格タイヤを装備した。 コンチネンタルの「EcoContact 6Q」は、215/60R17 96Hサイズ。転がり抵抗を抑え、騒音を低減する高シリカの新しいコンパウンドを導入している。
これらの改良により、2022年モデルの航続は、WLTPサイクルの複合モードで最大341kmを達成する。従来比で7%航続は伸びている。
◆ブランドの最新デザイン言語
ボディサイズは、全長4120mm、全幅1790mm、全高1550mm、ホイールベース2560mm。Bセグメントに属する小型クロスオーバー車となる。DSブランドの最新デザイン言語を導入した。フロントマスクはDS 7クロスバックと共通イメージとなっており、新世代のDSモデルであることを表現する。
車台には、PSAグループのモジュラープラットフォーム「CMP」を使用した。設計段階からCO2の削減、軽量化、高剛性化、効率的な音響、ノイズと振動の軽減、レベル2以上の先進運転支援機能などを見据えている。
22mにおよぶ構造用接着剤の採用により、旧プラットフォームの「PF1」比で剛性を30%引き上げた。クリップによるパーツ固定の代わりに、ビス止めの比率を10%高め、ノイズを軽減した。各素材表面のノイズリダクションコーティングによるキャビンスペースの静音化にも取り組む。EVならではの静粛性をさらに追求した。より厚いガラスや音響ガラスを使用した。ドアパネルを厚くするなどして、静粛性を高めている。
◆DSならではのウォッチストラップデザインのシート
インテリアは、シートにDSならではのナッパレザーのウォッチストラップデザインを採用する。ペブルグレーのグレインレザーやアルカンターラなどでカスタマイズすることも可能だ。また、インテリアスペースは、ガソリン/ディーゼル車と変わらない。
USBケーブルでの接続を必要としないワイヤレス給電の国際共通規格「Qi(チー)」を採用した。充電スポットはセンターコンソール部分にあり、対応するスマートフォンを置くだけで充電を可能にしている。
「MyDSアプリ」の「E-TENSEリモートコントロール」を使用すると、バッテリーの充電レベル、航続、充電の残り時間などの重要な情報にアクセスできる。乗車前に、空調の温度をあらかじめ設定することも可能だ。
「Free2Move」サービスによる「Charge My Car」を利用すれば、最寄りの充電ステーションを簡単に見つけることができる。「Trip Planner」サービスを使用すると、充電に考慮した最適なルートを提案してくれる。また、Free2Moveサービスのアプリを利用すると、料金所での優先レーンへのアクセス、駐車場の予約、駅や空港での係員サービス、駐車料金の支払いなどで多くのメリットを発揮する。
◆急速充電ではバッテリーの8割を30分で充電可能
最新の先進運転支援システム(ADAS)を搭載する。前走車や対向車の位置や距離を解析し、自動調光を行うのが「DS マトリクスLEDビジョン」だ。サイクリストの検知や片側の白線だけでも認識可能となり、任意のレーン位置をキープしアクティブクルーズコントロールと統合制御するレベル2相当の「DS ドライブアシスト」も採用する。視線をそらすことなく情報を読み取れるヘッドアップディスプレイ、アクティブセーフティブレーキ、アクティブブラインドスポットモニターも装備された。
「プロキシミティスマートキー」は、キーの接近を検知し、ロックとアンロックを自動で行う。キーを検知することで、ドアミラーの展開、リトラクタブルドアハンドルのポップアップ、ドアの解錠などを自動で行う装備だ。車両から離れると、自動的にドアを施錠し、リトラクタブルドアハンドルとドアミラーを格納する。
充電は、三相型11kW充電ウォールボックスで、フル充電まで5時間だ。出力100kWの急速充電を利用すれば、バッテリーの8割の容量を30分で充電できる。ドライブモードは3種類だ。航続を最大化する「エコ」、トルクが即座に増加する「ノーマル」および「スポーツ」が用意される。フォーミュラEのノウハウを応用した2種類のエネルギー回生システムも採用する。「ブレーキ」モードでは、回生ブレーキが強めに作動する、としている。