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日産 Z 新型に発売記念の限定モデル…SEMA 2021で初公開へ
日産自動車の米国部門は10月28日、米国で11月2日に開幕するSEMAショー2021において、新型『Z』(日本名:『フェアレディZ』 に相当)の限定モデル、「Proto Specエディション」を初公開すると発表した。
◆初代Zに用意された高性能モデル「240ZG」
新型Zは2022年春、米国市場で発売される予定。Proto Specエディションは、新型の発売記念モデルに位置付けられ、米国市場向けに240台が限定で導入される。
限定台数を240台としたのは、「240ZG」への敬意の表れだ。新型Zのデザインには、この240ZGのモチーフが取り入れられている。初代Z(S30型)は1969~1978年の9年間に、全世界で52万台以上が販売された。初代Zに1971年秋、追加された高性能モデルが240ZGだった。
240ZGには、バンパー一体デザインのエアロダイナノーズを装着。前後のオーバーフェンダーやヘッドランプカバーも装備された。2.4リットル直列6気筒ガソリンエンジンは、優れたパフォーマンスを可能に。日産の名車のひとつが、初代Zの240ZGだ。
◆新型のデザインは歴代Zへのオマージュ
新型Zのデザインテーマは「伝統と最新技術の融合」だ。洗練されたエクステリアと、歴代モデルへのオマージュを感じさせるデザインが特長になる。日産のデザイナーは、多くのZオーナーの声に耳を傾け、歴代モデルの成功の秘訣を探りながら、数え切れないほどのスケッチを重ねたという。
伝統的な後輪駆動のスポーツカーのデザインを踏襲し、ロングフードや低重心のリアスタンスなど、初代モデル(S30型)など、歴代モデルへのオマージュを込めたシルエットに仕上げた。例えば、ノーズから四角いテールエンドに向かって流れるようなルーフラインや、テール部分がフロントフェンダーよりもわずかに低くなっていることなどが、独特のサイドシルエットを生み出しているという。
LEDヘッドライトのデザインは、240ZG(S30型)を彷彿とさせる2つの半円がイメージされている。また、リアコンビネーションランプは、Z32型を彷彿とさせるデザインに最新の技術を取り入れ、新たに3DシグネチャーLEDテールランプを採用して、Zらしさを表現している。
◆12.3インチのフルデジタルメーターディスプレイ
新型のセンターコンソールは3つのエリアに分かれており、インストルメントパネル上の3連メーター(ブースト計、ターボスピード計、電圧計)は、ドライバーが見やすい位置にレイアウトされた。
12.3インチのフルデジタルメーターディスプレイを一新し、エンジン回転計の針が真上を指すと同時に、シフトアップインジケーターが点滅してドライバーにシフトアップを促すなど、重要な情報を一度に表示できるようにした。ドライバーの好みに合わせて変更できる3つの表示モードも用意している。
新設計のシフトレバーは、マニュアル、オートマチックともに、握りやすさと快適性を追求した。深いスポークを採用したステアリングホイールは、見た目を損なうことなく、ドライバーが素早く操作できるようデザインされているという。
シートは、『GT-R』の開発で培ったノウハウを生かし、ホールド性とフィット感を向上させた、と自負する。シートバックにスエードを多用することで、身体の横ブレを抑えて快適なドライブを実現するとともに、コーナリング時の身体の動きも抑制することを目指した。インテリアカラーは、グラファイト、レッド、ブルーの3色を用意している。
◆3.0リットルV6ツインターボは最大出力405ps
パワートレインには、新開発の「VR30DDTT」型 3.0リットルV型6気筒ガソリンツインターボエンジンを搭載する。最大出力は405ps、最大トルクは48.4kgmを発生する。最大トルクは5600rpmで引き出される。出力を大幅に向上しながら、シャープでスムーズなレスポンスを実現しているという。
6速MTには、大トルクのエンジンに対応するため、クラッチディスクとギアトレインを強化した。また、新設計のシンクロナイザーシステムの採用やシフトプロファイルの変更により、スムーズなシフトチェンジを追求している。
新開発の9速ATは、幅広いギアレンジにより、ダイレクトで素早いレスポンスを可能にする。また、通勤や高速道路でのロングドライブに最適なスタンダードモードと、性能を最大限に引き出すスポーツモードを選択できる。スポーツモードは、より速い加速制御に加えて、ステアリングやVDCに専用制御を採用することで、ワインディングロードに最適な設定としている。
日産の後輪駆動車として初めて、クラッチ操作でエンジン回転数を保持し、停止状態からの加速性能を最大限発揮する「アドバンストローンチアシストコントロールシステム」を、AT全車と一部MT車に搭載した。
高速走行時やコーナリング時にレスポンスの高いハンドリング性能を実現するため、ボディ剛性を引き上げた。ラックアシストタイプEPSやワイドなフロントタイヤなどを採用することで、コーナリング性能を最大13%向上させている。