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全身真っ赤のフィアット 500EV、欧州で発表、ウイルス対策装備を搭載

  • 《photo by Fiat》
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フィアットは、EVとなった欧州仕様の新型『500』(日本導入モデルの名称は『500e』)に「RED」を設定する。9月22日、フィアットが発表した。

◆アフリカのエイズ対策を支援する「RED」と協力

REDは、ロックバンド「U2」のボノと、NGOの「DATA」のボビー・シュライバーが立ち上げたもので、2006年1月、スイスで開催された世界経済フォーラムで設立が発表された。各メーカーが、「プロダクトRED」と命名された共通ブランドの商品を開発し、販売することにより、その収益の一部を世界エイズ・結核・マラリア対策基金に寄付する。これにより、アフリカのエイズ対策プログラムを支援している。

現在までに、REDはグローバルファンドとして約7億ドルを集め、2億2000万人以上の人々を支援してきた。今回、フィアットはREDと協力。『500 RED』の販売によって集められた資金は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染拡大が最も深刻な地域で医療システムを拡充し、救命プログラムを支援するために使われる予定だ。フィアット500 REDは、「地球とその人々を保護する」という共通のメッセージを持つ最初のRED車になるという。

◆赤いボディカラーに赤い内装

フィアット500 REDでは、ボディ、エンブレム、ドアミラーカバー、アルミホイールのロゴまで、赤色で仕上げた。ボディカラーは、赤以外も選択できる。

インテリアは、シートをはじめ、ダッシュボードフェイシア、フロアマットのロゴに赤色を使う。シートには、海から回収されたプラスチックをリサイクルした素材「Seaqual」を使用した。シートバックには、FIATとREDの赤いロゴが配される。また、シートをすべてブラックとした仕様も用意。すべて赤いシートで黒にロゴを添えた仕様も選択できる。赤い陽極酸化アルミ製のアクセルペダルは、黒い助手席と赤い運転席を選んだ場合に装備することが可能だ。

フィアット500 REDには、ウイルスやバクテリアに効果的なエアフィルターを装備した。ステアリングホイール、シート、トランクなどの内装部品の表面には、抗菌処理が施されている。ハンドサニタイザーディスペンサーと専用のキーカバーなどをセットしたウェルカムキットが付属する。フィアットブランドのオリヴィエ・フランソワCEOとボノのサイン入りの手紙も添えられる。

◆最大出力95hp仕様の航続は190km

ハッチバックとブラックトップ付きの「カブリオ」が用意される。グレードは、「アクション」ベースと「パッション」ベースが選べる。

アクションはエントリー仕様に位置付けられる。都市や町の中心部、欧州の電動車専用乗り入れエリアの「グリーンゾーン」に住む人々がターゲットだ。1日平均50kmを走行し、ダイナミックでコストを重視するユーザーを対象とした理想的な都市向けEVを目指す。

アクションには、最大出力95hpを発生するモーターを搭載する。動力性能は、0~100km/h加速が9.5秒で、最高速は135km/h(リミッター作動)となる。バッテリーは、蓄電容量23.8kWhのリチウムイオンだ。1回の充電での航続は、WLTPサイクルで最大190kmを確保している。

◆最大出力118hp仕様の航続は320km

一方、パッションには、最大出力118hpを発生するモーターを搭載する。エントリー仕様のアクションの最大出力95hpに対して、最大出力は23hp引き上げられた。パッションの動力性能は、0~100km/h加速が9秒で、最高速は150km/h(リミッター作動)。アクションの0~100km/h加速9.5秒、最高速135km/h(リミッター作動)よりも、動力性能に優れる。

リチウムイオンバッテリーは、蓄電容量がアクションの23.8kWhから、パッションでは42kWhに大容量化された。これにより、1回の充電での航続は、WLTPサイクルで最大320kmと、アクションの180kmを上回る。市街地のみを走行した場合の航続は、最大で460km。この航続は、アクションの240kmのおよそ2倍となる。

パッションには、充電を最適化するために85kWの急速充電システムが搭載されており、短時間で充電できる。例えば、日常の足としては充分な50kmを走行するために必要な電力は、わずか5分間で充電することが可能だ。急速充電器を使えば、35分でバッテリー容量の80%まで充電できる、としている。