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ルノー メガーヌ新型に電気自動車を設定、航続距離は最大470km
ルノーグループは9月6日、ドイツで開幕したIAAモビリティ2021において、ルノー『メガーヌ』新型のEV、『メガーヌE-TECHエレクトリック』(Renault Megane E-Tech Electric)を初公開した。
ルノーグループは、ルノーとダチア、アルピーヌ、ラーダの4ブランドに関しては、現在よりもアイデンティティとポジショニングを明確にする方針だ。4ブランド合計で、2025年までに24の新型車を発売し、その半分はC/Dセグメント車とする。また、少なくとも7車種はフルEVとする計画で、2025年までに電動化の分野におけるリーダーを目指す。
ルノー・メガーヌ新型のEV、メガーヌE-TECHエレクトリックは、この7車種のフルEVのうちの1台となる。AセグメントEVの『トゥインゴE-TECHエレクトリック』、BセグメントベストセラーEVの『ゾエ』に続いて、C セグメントにメガーヌE-TECHエレクトリックを投入することにより、乗用フルEVのラインナップを充実させる。
◆ルノー日産三菱の新開発「CMF-EV」車台がベース
ルノーグループは2020年秋、ルノーブランドのEVコンセプトカー、『メガーヌeビジョン』を初公開した。同車は、EV専用の新開発「CMF-EV」プラットフォームをベースに、ルノーの将来のEVハッチバックを提案していた。ルノーによると、メガーヌeビジョンは、CセグメントEV市場におけるルノーの最初のステップになるという。
このコンセプトカーのテクノロジーが、市販版のメガーヌE-TECHエレクトリックに反映された。従来型メガーヌには、電動モデルとして、プラグインハイブリッド車(PHV)が用意されている。EVがラインナップされるのは、新型が歴代で初めてだ。
メガーヌE-TECHエレクトリックには、「CMF-EV」と呼ばれる新世代のモジュラーEVプラットフォームを、ルノーブランドで初採用した。この新しいプラットフォームは、ルノー日産三菱アライアンスによって設計された。全高の低いサルーンから大型SUVまで、複数のボディタイプに対応し、さまざまな容量のモジュラーバッテリーを垂直方向と水平方向に取り付けることができる。
新技術と大容量バッテリーのおかげで、CMF-EVプラットフォームは、充電時間を短縮しながら、EVのエネルギー効率と航続を向上させる、と自負する。シャシーとステアリングシステムの一新により、パワーと快適性も大幅に向上し、床下に搭載されたバッテリーにより重心も低くなっているという。
◆全長4210mmでホイールベース2700mmのクロスオーバーEVに
CMF-EVプラットフォームでは、フラットなフロアを実現する。排気システムやトランスミッションがないため、インテリアの実用性とモジュール性が向上し、より用途の広いキャビンのためのスペースが確保されているという。
最大2770mmのホイールベースを取ることができ、より大容量のバッテリーと、より長い航続を備えたEVを実現する。新設計のバッテリーは車両の構造として機能し、側面衝突の場合には、衝撃を吸収する効果を発揮するという。メガーヌE-TECHエレクトリックの場合、全長は4210mm、ホイールベースは2700mmのクロスオーバーEVになる。オーバーハングの削減により、これまでになく薄い、厚さ110mmのバッテリーを搭載している。
バッテリーのサイズは、ボディタイプによって変更できる。たとえば、コンパクトカーは、航続の拡大とエネルギー効率の向上による高効率を維持しながら、バッテリーをコンパクトにすることが可能だ。
◆高性能グレードのモーターは最大出力218hp
電気モーターは2種類が用意されており、標準グレードは最大出力130hp、最大トルク25.5kgmを引き出す。高性能グレードは最大出力218hp、最大トルク30.6kgmを獲得する。動力性能は、0~100km/h加速7.4秒とした。
バッテリーは2種類あり、蓄電容量が40kWhの場合、1回の充電での航続は、最大300km(WLTPサイクル)。蓄電容量が60kWhの場合、1回の充電での航続は、最大470km(WLTPサイクル)に到達する。
バッテリーの充電は、出力7.4kWのウォールボックスで、航続400km分の容量を充電するのに、およそ8時間。出力22kWの公共充電ステーションで、最大160kmの市街地走行分のバッテリー容量を約1時間で充電できる。出力130kWの急速充電ステーションを利用すれば、最大200kmの高速道路走行分のバッテリー容量が約30分、最大300kmの市街地走行分のバッテリー容量が約30分で充電できる、としている。