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メルセデスベンツの小型ミニバン、『シタン』新型…欧州発表

  • 《photo by Mercedes-Benz》
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メルセデスベンツは8月25日、新型『シタン』(Mercedes-Benz Citan)を欧州で発表した。

従来型シタンは2012年4月、メルセデスベンツのLCV(軽商用車)として誕生した。メルセデスベンツを擁するダイムラーとルノーの提携効果を生かし、ルノーのLCV、『カングー』をベースに開発されたのが、シタンとなる。

新型も、ルノー日産三菱アライアンスとの協業によって開発され、ひと目でメルセデスベンツと識別できる車になっているという。

◆メルセデスベンツのデザイン哲学「センシュアルピュリティ」を導入

新型シタンのデザインは、メルセデスベンツのデザイン哲学の「センシュアルピュリティ(官能的純粋)」を導入し、バランスの取れたプロポーションを追求する。筋肉質のショルダー部分と力強いホイール周りなどにより、車両のパワーとエモーショナルな魅力を強調した。メルセデスベンツによると、小型バンとしては珍しいスタイリング要素になるという。

スリー・ポインテッド・スターを配したフロントは、典型的なメルセデスベンツのデザインだ。シタンは、メルセデスベンツのコンパクトモデルファミリーと同じ表情を持つ。フラットなヘッドランプには、LEDデイタイムランニングライトとLEDウインカーが組み込まれた。フロントグリルには、3本のダブルルーバーが添えられる。ボンネットは2つの輪郭のあるエッジを持つ。サイドにまで回り込んだヘッドランプとホイールまで届くようなバンパー下側の吸気口により、フロントオーバーハングを短く見せている。

サイドウィンドウのスタイリングはメルセデスベンツ『GLE』に似た形状だが、新型シタンは、Cピラーにカウンタースイープが設けられた。パネルバンのサイドもこのデザイン特長を採用しているため、メルセデスベンツファミリーらしさを際立たせている。黒いプラスチック仕上げのスライドドアレール、バンパー、ドアハンドルなどは、オプションでボディ同色に変更できる。

◆従来型と比較して室内スペースを拡大

インテリアは、水平基調のインストルメントパネルを採用した。全長は4498mmとコンパクトでありながら、充分なスペースを追求した。新型シタンには、商用車の「パネルバン」と、乗用ミニバンの「ツアラー」を用意する。遅れて、ロングホイールベースバージョンが追加される予定。2716mmのショートホイールベースを持つ標準ボディでも、従来型と比較して広いスペースを備える。たとえば、パネルバンでは、荷室の長さは3050mmを確保している。

新型には、狭い駐車スペースで実用的なスライドドアを採用する。その開口部は最大615mmで、両側に設けられた。荷室開口部の地上高は1059mm。パネルバンの荷台の高さは、590mmに抑えられる。ドアは左右非対称で、左側のドアの幅が広い。オプションとして、パネルバンには、ヒーターとワイパーを備えたリアゲートが選択できる。

ツアラーには、リアウィンドウを備えたテールゲートを標準装備した。後席はベンチシートとなり、3分割で折りたたむことができる。

◆最新のMBUXを搭載

強力なコンピュータチップ、自己学習ソフトウェア、高解像度画面、鮮やかなグラフィックスを備えた「MBUX」(メルセデスベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)が、車両の操作性を新しいレベルに引き上げた、と自負する。

新型シタンでは、さまざまなバージョンのMBUXがオプションで選択できる。7インチのタッチスクリーンやステアリングホイールのタッチコントロールスイッチによって、直感的に操作することが可能。Bluetooth接続とデジタルラジオ(DABとDAB +)を介したハンズフリーシステムも採用される。高速のハードディスクナビゲーションは、「ハイ、メルセデス」と呼びかける音声制御システムで操作できる。

MBUXによって、多くのコネクトサービスにアクセスできる。「メルセデス・ミー」と組み合わせれば、MBUXはさらにインテリジェントで操作が簡単になる。たとえば、「ハイ、メルセデス」は自然言語で作動する。メルセデス・ミーのコネクト機能には、車両の状態を遠隔で知ることが可能なリモートサービスがある。これにより、ユーザーは自宅や会社などから、いつでも自分の車に関する重要な情報を確認できる。ライブ交通情報と「Car-to-X」データを使用したナビゲーションシステムのおかげで、リアルタイムデータを利用して渋滞を回避し、時間を節約できる、としている。