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ポルシェ 911 最強の700馬力、GT2 RS クラブスポーツに「25」…世界限定25台
ポルシェは8月6日、『911GT2 RSクラブスポーツ25』(Porsche 911GT2 RS Clubsport 25)を欧州で発表した。
同車は、「991」世代のポルシェ『911』の頂点に位置する『911GT2 RS クラブスポーツ』がベースだ。911GT2 RSクラブスポーツ25は、ベース車同様、サーキット専用モデルとなる。ポルシェのモータースポーツパートナーの「マンタイレーシング」の設立25周年を祝福し、全世界向けに25台を限定生産する。マンタイレーシングは、毎年春にドイツで開催される「ニュルブルクリンク24時間耐久レース」にポルシェ車で参戦し、7回の総合優勝を達成している。
◆大幅に変更されたリアデザイン
911GT2 RSクラブスポーツ25では、サーキットでの走行性能を引き上げる目的で、さらなる空力&冷却性能を追求した。レーシングカーの『911 GT3 R』同様、中央にラジエーターを配置した。エアフローの最適化により、幅広い速度領域でエンジンの温度上昇を抑えるとともに、ラジエーターの位置変更により、衝突による損傷からの保護性能を引き上げた。
フロントバンパーは、新設計された。最適なエアフローを実現するために、中央にインレットを備える。外側のダブルフリックは、フロントアクスルのダウンフォースを増加させる。アンダーボディはカバーで覆われた。カーボンファイバー製のフロントリッドも新設計されたものだ。
911 GT3 Rと同様に、フロントリッドには、2つの大型エアダクトを装備した。ポルシェのエンブレムの上側に配置されたNACAダクトは、コックピットに新鮮な空気を送り込む。4ストライプデザインのメインレーシングヘッドライトを採用した。これは、ルマン24時間耐久レースで優勝した『911RSR』がモチーフで、サーキットの路面を照らすのに効果的という。省スペース対策として、ヘッドライトにウインカーを組み込む。
新しい冷却コンセプトの導入により、ホイールアーチのラジエーターを省略した。これにより、フロントブレーキへの空気の流れを向上させているという。
リアには、大幅な変更が加えられた。大型リアウィングは、新たにサイドプレートとスワンネックサポートブラケットが追加され、エアロダイナミクス性能を引き上げた。ワイド化されたリアスポイラーは、ボディ一体デザインとした。リアリッドには、新たに開口部が設けられ、エンジンルームへの空気の流れを促進する。ディフューザーも新デザインで、2本出しのテールパイプが組み込まれた。
◆700psツインターボと後輪駆動の組み合わせ
911GT2 RSクラブスポーツ25のパワートレインは、直噴3.8リットル水平対向6気筒ツインターボエンジンだ。可変タービンジオメトリー(VTG)を備えた大型ターボチャージャーや専用の吸気システムなどを採用した。この結果、ポルシェ911史上最強の最大出力700ps/7000rpm、最大トルク76.5kgm/2500~4500rpmを獲得する。トランスミッションは、専用ギアレシオの7速PDKを組み合わせる。駆動方式はRR(2WD)としている。
ブレーキはフロントが6ピストンアルミモノブロックのレーシングキャリパーで、直径390mmのドリルドディスクと組み合わせて、優れた制動力を追求した。リアには、4ピストンのキャリパーと380mm径のディスクを装着する。
トラクションコントロールとABSを含む「PSM」(ポルシェ・スタビリティ・マネージメント)を採用する。センターコンソールに配置されたマップスイッチによって、PSMなどのアシストシステムを、運転状況に応じて個別に調整したり、カットオフしたりすることができる。センターロック式の18インチホイールに、レース仕様のタイヤを組み合わせている。
◆インテリアはシングルシーターに変更
インテリアは、シングルシーターに変更されており、カーボンファイバー製ステアリングホイールを装着する。ステアリングホイールのパドルシフトによってシフトチェンジを行う。ドライバー正面には、コスワース製のカラーディスプレイを配置。コスワース製のデータロガーも装着される。
60Ahリチウムイオンバッテリーは防水のため、助手席足元に搭載される。レカロ製のレーシングバケットシートと6点式ハーネス、大型ロールケージ、消火器、エアジャッキシステムが組み込まれている。