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ホンダ、3代目 インサイト を年内に発売…大きめセダンに変身

  • 《撮影 池原照雄》
  • 《撮影 池原照雄》
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ホンダは11月1日、ハイブリッド(HV)専用車『インサイト』の3代目モデルを2018年内に発売すると発表し、概要をホームページなどで公表した。日本でのインサイトの復活は約4年半ぶりとなる。

インサイトは1999年に同社初のHVとして市場投入され、当時ではガソリンエンジン搭載車として世界トップの燃費性能を達成した。HVが普及期に入っていた2009年には求めやすさなどを追求した2代目モデルを売り出した。新型は、いずれもハッチバックスタイルだった前2代モデルから流麗なセダンへと変身して登場する。

ホンダは「シビックとアコードの中間に位置するモデルとして展開する」(日本本部・商品企画課の間俊輔主任)としており、サイズも5ナンバーだった前モデルから大型化を図っている。車体は全長4675×全幅1820×全高1410mmとミドルセダン級とした。

HVシステムは、ホンダが今後の主流として展開する2モーターによる「i-MMD」タイプで、1.5リットルのアトキンソンサイクルエンジンを採用している。『アコード』などに搭載しているi-MMDは2.0リットルであり、ダウンサイジングしてコンパクトなHVシステムを実現した。燃費性能は発売時に公表されるが、その向上にも寄与していると見られる。

開発責任者である本田技術研究所・四輪R&Dセンターの堀川克己主任研究員は、3代目モデルの開発コンセプトは「HVが普及した今日、クルマの『本質価値』を追求した『グリーン・プライム・セダン』と定めた」と説明する。高い環境性能や走りを備えた上質なセダンというわけだ。

新開発のHVシステムについて堀川氏は「i-MMDとしては1.5リットルの最小エンジンを搭載した。2030年に(販売する四輪車の)3分の2を電動化するというホンダの電動化の発展性を考えたシステム」と指摘。そのうえで「われわれの次世代HVに向けたメルクマール(指標)ともなる。このインサイトでホンダの新たな電動化を進めるというメッセージを込めた」と、強調している。

インサイトは今年6月に米国で先行発売されている。日本仕様はフロントグリルを専用に開発するなどデザインの一部変更も行った。3グレードが用意され、安全運転支援システムの「ホンダセンシング」を全車に標準装備する。価格は発売時に公表予定。