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VW ティグアン 改良新型…総合力でアピールするSUV

  • 《写真撮影 内田俊一》
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フォルクスワーゲングループジャパン(以下VGJ)はSUVの『ティグアン』をマイナーチェンジした。デザインに改良が加えられるとともに、パワートレインが変更。また、VGJのSUVとしては初のハイパフォーマンスモデル、『ティグアンR』を追加した。

◆ベストセラーのマイナーチェンジ

2017年にMQBを採用しフルモデルチェンジしたティグアンがマイナーチェンジした。その内容について、「安全性、快適性、利便性、全ての面において正常に進化している」とは、広報・マーケティング本部広報課の山神浩平さんの弁。

ティグアンは2007年の初代登場から2019年までずっと右側上がりで販売は推移。この間に、フルモデルチェンジ、マイナーチェンジを経ながら、2019年に90万台を超える生産台数になり、「かなり人気が高まり、ドイツのみならず、ヨーロッパでのベストセラーSUVとしてのポジショニングを確立している」という。

日本では2008年に導入し、2012年にマイナーチェンジ。さらに2017年にフルモデルチェンジし市場投入している。世代別では2008年に導入した初代ティグアンは約7,000台、2017年にフルモデルチェンジし導入したものは4年経過して約1万7,000台を超える販売台数を記録。「急激な右肩上がりだ」と評価した。

◆4つのポイント

マイナーチェンジしたティグアンの主なハイライトは4つある。それは、デザイン、パワートレイン、新しいグレード、コネクティビティだ。

ボディサイズは先代と比べて15mmほど長くなった(4,515mm、R-LineとRは4,520mm)が、全幅、ホイールベース、全高のサイズ変更はない。フロントは、新デザインのバンパーとともに、LEDのマトリクスヘッドライト、IQライトを採用。また新しいエンブレムもセンターに配置された。リアも新エンブレムに加えて、“TIGUAN”というモデル名をセンターに配置された。

インテリアは最新世代のインフォテインメントシステムの採用に加え、3ゾーンのフルオートエアコンをインフォテインメントの下に配されたことも特徴だ。この操作は、「指でスライドすると温度調節が出来るようになっており、新型『パサート』からこのエアコンを採用。ティグアンは2モデルめである」と山神さん。

ステアリングホイールも一新。新エンブレムをセンターに配置したことに加え、トラベルアシストの起動ボタンを新しく追加。このトラベルアシストは、「同一車線内の全車速運転支援システムで、このボタンを押すだけでシステムが作動するもの」だという。

搭載されるパワートレインは、1.5リットルTSIエンジンで最高出力は150ps、最大トルクは250Nmと、従来の1.4TSIエンジンと同じ出力とトルクだ。変更内容は、「より環境に優しいエンジンになった」とのこと。具体的には、気筒休止機能が搭載され、走行シーンに応じて瞬時に4気筒から2気筒に切り替え、燃費を向上させている。またトランスミッションは従来の6速DSGから7速DSGに変更された。

次に運転支援システムは、前述のトラベルアシストとともに、緊急時駐車支援システムである、エマージェンシーアシストを挙げ、「VGJ車両としては国内初導入で、ドライバーが意識を失うなど運転操作が出来ない状態をシステム側が検知すると、まずドライバーに対して注意喚起を促し、その後同一車線内で減速して最終的にストップさせる機能」と説明。これにより、「車両の暴走などの事故を出来るだけ防ぎ、被害軽減に繋げることを目的にしている」と述べる。

◆初のSUVの“R”

今回新たに追加されるティグアンRは、VGJ国内導入SUVモデルの中で初のパフォーマンスモデルである。専用デザインのフロントバンパーに加えて、320psの2リットルTSIエンジンを搭載。さらにアダプティブシャシーコントロールDCCではスポーツサスペンションを装着。「普段使いだけではなく、サーキットでも十分その能力を体感出来る」と山神さん。

さらにリアアクスルにRパフォーマンストルクベクタリング機能を装備した四輪駆動システムを採用している。現行『ゴルフR』などに採用している4モーションとは違い、「前輪後輪の間だけではなく、左右間でも駆動力を配分するので、コーナリングの時などにおいて大幅に敏捷性を高めている」と山神さん。また、トランスミッションも高トルクに対応出来るよう他のティグアンとは別に設計された7速DSGを標準装備している」と話す。

インテリアもティグアンR専用アイテムを採用。特にステアリングホイールにある“Rボタン”を押すと、専用のドライブモードである“レースモード”を作動さることが可能だ。

なおティグアンRの納車は年後半が予定されている。

◆3兄弟体制

最後に山神さんは、現在のVGJのSUVシリーズのラインナップについて、サイズ比較では、「『T-Cross』が一番小さい、最もコンパクトSUVで、次いで少し大きい『T-Roc』。最も大きいものがティグアンという三兄弟体制だ。それぞれのポジショニングは実用性の高いT-Cross、そしてデザイン性のT-Roc、総合力のティグアンという住み分け」と説明。

ターゲットは、ハッチバックからの乗り換えの男女で使い勝手を重視するT-Cross。ハッチバックとSUVからの乗り換えの男女でスタイリングを重視するT-Roc、そして、MPVやSUVからの乗り換えの弾性を中心に性能を重視するティグアンとポジショニングを分けていることを語った。