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マクラーレンの最軽量ロードスター、『エルバ』にフロントウインドスクリーン装着車…欧州発表

  • 《photo by McLaren Automotive》
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マクラーレンオートモーティブ (McLaren Automotive)は5月27日、新型スーパーカーの『エルバ』(McLaren Elva)のフロントウインドスクリーン装着車を、欧州で発表した。

エルバは、マクラーレンの最上位に位置する「アルティメットシリーズ」のニューモデルだ。2シーターのオープンコックピットを備えたロードスターになる。生産台数は149台限定だ。

◆フロントガラス無しでもキャビンへの空気の流れを抑える「AAMS」は未装備に

エルバは、専用のカーボンファイバー製シャシーとボディを備えた2シーター車。これまで、フロントウインドスクリーン未装備車のみの設定だった。フルオープンコックピットとしたのは、公道とサーキットの両方で、比類のない運転の喜びを提供するための選択という。

乗員は必要なら、ヘルメットを着用することもできる。しかし、キャビン上部のデザインを工夫することにより、ドライバーと乗員を包み込むような安全性を追求している。

エルバには、世界初のアクティブエアマネジメントシステム「AAMS」が採用された。このシステムでは、フロントノーズから取り入れられた空気が、乗員の前方のクラムシェルから出て、コックピットの上に誘導されて、後方に流れる。上下するカーボンファイバー製デフレクターも備えている。AAMSが作動している場合、デフレクターはボンネットアウトレットの端で150mm上昇して、低圧ゾーンを生み出す。

◆フロントウインドスクリーン未装着車に対して重量は20kg増

一方、今回発表されたフロントウインドスクリーン装着車には、AAMSが実現する空気のバリアではなく、ウインドスクリーンを好む顧客向けに設計されている。また、米国の一部の州の法的要件を満たす狙いもあるという。

フロントウインドスクリーン装着車のエルバでも、オリジナルモデルの精神とパフォーマンスは維持されており、ルーフ、サイドウィンドウ、リアスクリーンは未装備。フロントスクリーンレスのエルバは、マクラーレンオートモーティブ史上、最軽量のロードカーだった。フロントウインドスクリーン装着車には、AAMSは付かない。レインセンシングワイパー、ウォッシャージェット、サンバイザー、ガラスヒーターが追加されており、重量は20kg増している。

フロントウインドスクリーン装着車でも、低いフロントノーズと盛り上がったフロントフェンダーが、前方の視界を確保する。大型のカーボンファイバー製リアフェンダーは、ドアからリアデッキに向かって流れる。格納式ロールオーバープロテクションシステムを採用することにより、リアのツインバットレスの高さを最小限に抑えている。

◆0-100km/h加速3秒以下の性能は不変

パフォーマンスは変わらない。ミッドシップには、4.0リットルV型8気筒ガソリンツインターボエンジンを搭載する。このエンジンは『セナ』用がベースだ。ただし、最大出力は800psから815psへ、15ps強化された。最大トルクは81.6kgmで変わっていない。トランスミッションは、7速デュアルクラッチを組み合わせた。

また、「M1A」と呼ばれるカーボンファイバー製シャシーは、551kgと非常に軽量とした。この効果で、動力性能は、0~100km/h加速3秒以下、0~200km/h加速は6.7秒と、世界屈指の性能を可能にしている。

リアには、アクティブリアスポイラーを装備した。高さと角度が調整でき、空力バランスが最適化される。エアブレーキ機能は、高速走行からのブレーキングに貢献する。ディフューザーは、アクティブリアスポイラーと連動する。床下は、完全に平らな設計とした。ディフューザーには、排気管を狭めることなく気流を導く垂直のフェンスを備えている。リアバンパーサイドエクステンションと組み合わされて、空力効率をさらに向上させる、としている。