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ポルシェ カイエンクーペ に新たな頂点、プロトタイプをWRC王者が試乗
ポルシェ(Porsche)は5月20日、『カイエン・クーペ』に設定される予定の新たな高性能モデルのプロトタイプの写真を公開した。同車をポルシェのブランドアンバサダーで往年のWRC王者の、ヴァルター・ロール氏がテストしている。
◆クラス最高のパフォーマンスが目標
カイエンは2002年の初代デビュー以来、ポルシェに期待するパフォーマンスと、日常の使いやすさ、多様性を両立させてきた。2006年には最大出力521psを発生する「ターボS」、2007年にはスポーティさを重視して特別チューンされた「GTS」を追加するなど、さらなるパフォーマンスを追求してきた。
現在最終テストが行われているカイエン・クーペの新たな高性能モデルでは、ポルシェは、クラス最高のパフォーマンスをさらに強調することを目指している。
この高性能モデルで重視されているのは、運転の快適さと日常の使いやすさを犠牲にすることなく、並外れたオンロードパフォーマンスを実現することにあるという。『カイエン・ターボ・クーペ』をベースに、縦方向と横方向のダイナミクスを強化するために、開発が進められている。
◆PDCCなどすべてのシャシーと制御システムを強化
「ポルシェ・ダイナミックシャシー・コントロールシステム(PDCC)」など、すべてのシャシーと制御システムが強化される。これにより、パフォーマンス指向のセットアップを施しても、安定したハンドリング性能を実現しているという。
ポルシェのテストドライバー、ラーズ・カーン氏は、「PDCCは、非常にハードなコーナリング中でも、常にボディのバランスとレベルを維持する」と語る。
全面的に改良されたフロントアクスルによって、ハンドリングも改善されている。ベース車両のカイエンターボクーペと比較して、フロントホイールは0.5インチ大きくなり、ネガティブキャンバーは0.45度増加。22インチのスポーツタイヤは専用開発された。
◆「コンパクトなスポーツカーを運転している気分」とロール氏
ポルシェは、この高性能モデルのプロトタイプをドイツのサーキット、ホッケンハイムリンクに持ち込み、ロール氏がテストした。
プロトタイプは、車体の大部分が、黒いカモフラージュで覆われていた。リアバンパー中央に配置された2本のテールパイプが特長の新開発のチタン製エキゾーストシステムのサウンドを伴って、ロール氏はホッケンハイムリンクで周回を重ねたという。
テストを終えたロール氏は、「従来モデルと比較して大きな飛躍。この車はSUVという用語の意味を再定義する。動作は非常に正確。大型SUVではなく、コンパクトなスポーツカーを運転している気分になる」とコメントした。
◆550psの『カイエンターボ クーペ』を上回る性能か
なお、現行カイエン・クーペの内燃エンジン搭載車の最強グレードがカイエン・ターボ・クーペ・グレードだ。同グレードには、4.0リットルV型8気筒ガソリンツインターボエンジンを搭載する。最大出力は550ps/5750~6000rpm、最大トルクは78.5kgm/2000~4500rpmを引き出す。トランスミッションは、8速「ティプトロニックS」だ。0~100km/h加速は3.9秒、最高速は286km/hのパフォーマンスを実現している。
新たな高性能モデルは、このカイエン ターボ クーペを上回る性能を備えていると見られる。