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ホンダ シビックセダン 新型発表…11世代目が米国でデビュー
ホンダの米国部門は4月29日、新型『シビックセダン』(Honda Civic Sedan)の市販モデルを発表した。
初代『シビック』は1973年、米国市場に導入された。それ以来、シビックは米国で約1200万人の顧客を獲得してきた。新型シビックセダンは、11世代目モデルとなる。
◆「マン・マキシマム・メカ・ミニマム」思想に焦点
新型シビックセダンの開発において、ホンダのデザイナーとエンジニアは、ホンダが掲げる「M・M」思想、「マン・マキシマム・メカ・ミニマム」(人のための空間は最大に、メカニズムのスペースは最小に)」に焦点を合わせた。新型のスタイリングは、時代を超越したデザインコンセプトを新鮮で爽快な新しい方法で表現しているという。
新型は、低いボンネットフードとフロントフェンダー、低く水平なベルトラインを備える。このスリムでライトなデザインが、ホイールとタイヤの存在を強調するとともに、広く風通しの良いキャビンスペースを可能にするという。
デザインチームは、ダイナミックなフォルムとスポーティなスタンスを新型シビックセダンに吹き込んだ。全高を抑えて、ヒップポイントが低い従来モデルの「低CGパッケージ」を引き継ぎながら、デザイナーは、ボンネットやフロントフェンダーが低い伝統のシビックデザインを適用した。新型のボディサイズは、全長4974mm、全幅1800mm、全高1415mm、ホイールベース2735mmだ。
◆水平基調の新しいフロントマスク
新型のデザインチームは、シビックの上半身のデザインに大幅な変更を加えた。プレミアムなシルエットを実現するために、フロントピラーの付け根を50mm、後方に移動した。視認性を高めるために、ドアミラーの位置も見直されている。
新型シビックセダンの新しいフロントマスクは、ロー&ワイドで水平基調とし、すっきりと洗練された雰囲気を演出した。キャビンは車体の後方に移動し、プレミアムなサイドビューのためにボンネットが伸ばされた。シャープな水平ショルダーラインが、フロントフェンダーからテールライトまで緩やかな弧を描き、デザイン全体に連続性を与えている。
最新のLEDテクノロジーは、ヘッドライト、デイタイムランニングライト、パーキングライト、オプションのフォグランプなどに幅広く使用された。ボディカラーは全8色。このうち、メテオライトグレーメタリック、ソニックグレーパール、新型専用のモーニングミストブルーメタリックの3色が新色となる。
◆すべての乗員に充分な室内空間を追求
新型のインテリアには、「M・M」思想の新しいアプローチにより、シンプルでクリーンかつモダンな空間を目指した。初期のシビックのすっきりとしたキャビンデザインを連想させることを狙ったという。新型のインテリアは、優れた視認性、直感的な人間工学、ドライバー重視のテクノロジーなどを備えている。
インテリアのパッケージは、すべての乗員にとって、充分な頭上、足元、肩周り、腰周りのスペースを追求した。低くてフラットなベルトラインとキャビン全体のすっきりとしたデザインの効果で、広々とした感覚がすべての乗員で得られるようにしたという。
メタルハニカムメッシュのアクセントが、ダッシュボードからドアへと伸びている。オーディオやインフォメーションディスプレイ、空調コントロールの間に視覚的境界線を構築することを狙ったという。フロースルーデザインによって、ダッシュボードのエアダクトを目立たなくしているのも特長だ。
◆シビック初のオールデジタルLCDインストルメントディスプレイ
高品質の素材がインテリア全体、とくに乗員の手に触れる部分に使用された。すべてのスイッチやコントロールの操作には、細心の注意が払われている。指紋や汚れが目立たない新開発のプレミアムセンターコンソールトリムなど、実用性を考慮して素材が選択された。
新型は全車に、新設計のフロントシートを採用した。ホンダのボディスタビライザーシートアプローチにより、新世代のシートフレームが体をしっかりと保持し、長時間のドライブでも快適に過ごせる、と自負する。
「ツーリング」グレードには、シビック初のオールデジタルLCDインストルメントディスプレイを採用した。10.2インチの高解像度フルカラーLCDパネルには、カスタマイズ可能なさまざまな情報が表示される。
ディスプレイの中央部分には、演奏中の音楽やトリップコンピューターなど、ユーザーが選択できるさまざまな情報が表示される。先進運転支援システム(ADAS)の「Honda Sensing」の状態も表示できる。
◆1.5リットルターボは最大出力が180hpに向上
このツーリンググレードには、1.5リットル直列4気筒ガソリンターボエンジンを搭載する。最大出力は180hp/6000rpm、最大トルクは24.5kgm/1700~4500rpmを引き出す。従来型に対して、パワーは6hp、トルクは2kgm向上している。
ターボの配管の効率化や「VTEC」の排気バルブ側への追加など、複数の改良によって、燃費性能のさらなる向上が図られた。この1.5リットルターボエンジンに組み合わせるCVTは、トルクコンバーターの性能を引き上げるとともに、「ステップシフト」プログラムを改良している。