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デンソー、新型LS/MIRAI搭載の高度運転支援技術向け製品を開発

  • 《写真提供 デンソー》

デンソーは、4月8日に発売されたレクサス『LS』新型および4月12日発売予定のトヨタ『MIRAI』に搭載される「アドバンスドドライブ」向け製品として、高度運転支援技術の実現と車両の安全性能向上に貢献する製品を開発した。

開発品は、車両や道路の形状を検知するLiDAR、2種類のカメラで自車の前方環境を検知するロケーター望遠カメラ、高い精度で自車位置を特定するSIS(Spatial Information Service)ECU、それらの製品などから得られる情報を高速処理するADS(Advanced Drive System)ECU、ADX(Advanced Drive Extension)ECU。SIS ECU、ADS ECUおよびADX ECUは、無線通信によるソフトウェアアップデートに対応し、ユーザーに車両が渡った後の機能の追加、性能向上も可能だ。

LiDARとロケーター望遠カメラは、広範囲を高い精度で検知。両製品ともに、車両から200m以上先まで検知できる。LiDARは世界最高レベルの性能を有し、レーザー光の高出力化、受光センサーの高感度化により遠方までの検出が可能。また、平面ミラーを用いたスキャン方式を採用することで、より広い角度で検出できる。ロケーター望遠カメラは、近距離用と遠距離用に2種類のカメラを搭載し、長い撮像可能距離と高い画素数を有している。特に、遠距離用のカメラでは、検知角度を狭めることで角度あたりの画素数を向上させ、遠くの映像を鮮明に取得する。

SIS ECUは、自車の位置情報や前方の走路情報を提供し、高度運転支援技術を支える重要な役割を担う。開発品は高精度地図データ、GNSS(全球測位衛星システム)から得られる位置情報、カメラからの認識情報を組み合わせることで、自車が走行する位置情報を車線レベルで取得できる。

ADS ECUおよびADX ECUは、LiDAR、カメラなどの車両周辺の監視を行うセンサーの情報を集約し、車両を制御する。高度運転支援技術の実現には、各センサーからの情報をリアルタイムで把握し、数ミリ秒単位の速度で高速処理することが必要。開発品は、複数のSoCとマイコンを搭載し、従来の車載ECUの2倍以上の処理性能を持ち、ドライバーに代わって車両を制御する頭脳の役割を担う。

高速道路などの自動車専用道路にて、ドライバーによる監視のもと、交通状況に応じて、車載システムが適切に認知、判断、操作を支援し、車線・車間維持、分岐、車線変更、追い越しなどを行う高度運転支援技術。その実現には車両周辺の検知性能の向上、高精度な自車位置の特定、センサー情報の高速処理が必要となる。デンソーは今回開発した製品を通じて、乗員に安心感を与える高度運転支援技術の実現と車両の安全性能の向上に貢献する。