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日産の大型SUV『パトロール』にNISMO、5.6リットルV8は428馬力に強化
日産自動車の中東部門は3月31日、『パトロールNISMO』(Nissan Patrol NISMO)の改良新型となる2021年モデルを、デジタルワールドプレミアした。
初代『パトロール』は、1951年に登場した。主に警察向けに開発されたジープタイプの4WD車だった。1980年に誕生した3代目から、日本では『サファリ』を名乗る。しかし、サファリは2007年6月をもって、国内販売を終了した。その後は、海外専用車のパトロールとして、日本から欧州や中東などへ輸出されている。最大のライバルは、トヨタ『ランドクルーザー』(200)になる。
現行型はパトロールとしては7代目となり、高級SUVにふさわしいクオリティと、中東などの市場で求められる高いオフロード性能を追求した。プラットフォーム、エンジン、4WDシステムなどを一新して、2010年に発表された。2019年9月には、デビューから9年を経て、大幅改良を受けた改良新型が登場している。
エンジンは、5.6リットルV型8気筒ガソリン自然吸気エンジンを継続搭載する。最大出力は400hp、最大トルク57.1kgmを引き出す。4.0リットルV型6気筒ガソリン自然吸気エンジンも設定する。最大出力は275hp、最大トルクは40.2kgmを発生する。
◆NISMOらしいスポーティな演出
パトロールNISMOの改良新型では、NISMO(ニスモ)らしいスポーティな演出が内外装に施される。エクステリアは、新しいフロントマスクは、Vモーションを強調する立体的なハニカムメッシュグリル、NISMOエンブレム、新しいヘッドライト、水平クロームラインが特長だ。リアは、ダーククロームインサート付きの新バンパーと新しいテールランプを備え、ワイド感が強調されている。また、F1マシンにインスパイアされたLEDリアフォグライトも装備した。このフォグライトは、悪条件でもブレーキライトと同じ明るさを発揮するという。
ボディ下部を一周するように、NISMOを象徴する赤いラインがあしらわれた。22インチのツートンカラーのアルミホイールは、NISMOのロゴ入り。チューニングされたサスペンションには、よりスポーティなハンドリングを可能にするビルシュタイン製ショックアブソーバーを採用している。
ボディカラーには、ホワイトパール、ブラックソリッド、グレーとシルバーのメタリックカラーの合計4種類が用意されている。
◆レーシングカーからインスピレーションを得たステアリングホイール
インテリアは、ラグジュアリーさにNISMOのレースの血統を組み合わせることを目指した。大型のフロントシートには、キルティング加工が施される。サイドレザーを使用したアルカンターラ生地も採用されている。
黒のアルカンターラステアリングホイールも、レーシングカーからインスピレーションを得たものだ。赤いカーボンファイバーインサートが付く。ヘッドレストには、NISMOのロゴがエンボス加工された。リフレッシュされたセンターコンソールとダッシュボードは、ドライバーが情報に基づいた意思決定をリアルタイムで行えるように設計されているという。
フレームの振動を低減することで、室内の静粛性を追求した。2列目シートには、アップグレードを施して、より快適な乗り心地を実現しているという。
◆『GT-R』のエンジン職人がV8をチューニング
パトロールNISMOの改良新型では、日産の横浜エンジン工場で『GT-R』のエンジンを手作業で組み立てることを許可された4人のマスターエンジンビルダーを含む「匠」チームが、チューニングを行う。その結果、パトロールの5.6リットルV型8気筒ガソリン自然吸気エンジンは最大出力が400hpから428hpへ、28hpパワーアップ。最大トルクは57.1kgmに据え置かれた。
エアロダイナミクスの面では、フロントバンパーにサイドダクトを追加して、揚力をゼロにしたという。リアには、新しいルーフスポイラーが装着された。放熱性能を引き上げることにより、ブレーキ性能も向上させた。ボディ構造の強化により、高速でのハンドリング性能を追求する。ホイールは4本合計で、4.5 kgの軽量化を果たしている。