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ランボルギーニ、V12搭載の新型車を2車種発表へ 2021年内に

  • 《photo by Lamborghini》
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ランボルギーニ(Lamborghini)は3月18日、V型12気筒ガソリンエンジンを搭載する新型車2車種を、2021年内に初公開すると発表した。

ランボルギーニ伝統のV型12気筒ガソリン自然吸気エンジンは現在、カタログモデルでは『アヴェンタドール』に搭載されている。その一方、ランボルギーニは2019年から、このV12エンジンを少量限定生産車に搭載する動きを加速させている。

◆ブランド初のハイブリッドスーパーカー「シアンFKP 37」

例えば2019年秋、ドイツで開催されたフランクフルトモーターショー2019において発表されたブランド初のハイブリッドスーパーカー、『シアンFKP 37』もV12エンジンを積む少量限定生産車のひとつだ。

シアンFKP 37のミッドシップには、『アヴェンタドールSVJ』用の6.5リットルV型12気筒ガソリン自然吸気エンジンをチューニングして搭載する。チタン製吸気バルブを採用するなどして、最大出力は785hp/8500rpmに引き上げられた。

48Vのモーターは、ギアボックスに組み込まれ、最大出力34hpを発生する。エンジンとモーターを合わせたシステム全体で、819hpのパワーを引き出す。これにより、0~100km/h加速は、史上最速のランボルギーニとなる2.8秒以下、最高速は350km/h以上のパフォーマンスを可能にする。

シアンFKP 37には、ランボルギーニの新素材開発における最新の成果を反映した。リアのアクティブ冷却ベーンは、ランボルギーニの特許技術だ。ランボルギーニによると、冷却ベーンは排気システムの熱に反応して回転し、軽量な冷却ソリューションを可能にするという。

◆蓄電はスーパーキャパシタに

電気エネルギーの蓄電には、リチウムイオン電池ではなく、スーパーキャパシタを使用する。『アヴェンタドール』で最初に実用化されたスーパーキャパシタだが、シアンでは10倍の電力を蓄電できる設計とした。ランボルギーニによると、同じ重量のバッテリーよりも出力は3倍強力で、同じ電力を生成するバッテリーよりも3倍軽量という。スーパーキャパシタは、コックピットとエンジンの間の隔壁に配置され、前後の重量配分に配慮している。

シアンFKP 37には、高度な回生ブレーキシステムが搭載されている。車両がブレーキをかけるたびに、スーパーキャパシタにエネルギーが蓄電される。蓄えられたエネルギーは、すぐに利用可能なパワーブーストとなり、ドライバーは130km/h以下の領域において、加速時にトルクを増加させることができる。ランボルギーニによると、加速は10%以上速くなるという。具体的には、30~60km/hの加速は、アヴェンタドールSVJ に対して0.2秒短縮。70~120km/hの加速は、アヴェンタドールSVJ に対して1.2秒短縮している。なお、シアンFKP 37は、ランボルギーニが創業した1963年にちなんで、限定63台を生産する予定だが、すでに完売している。

◆サーキット専用の新型ハイパーカー「エッセンサSCV12」

2020年7月、サーキット専用の新型ハイパーカーとして発表された『エッセンサSCV12』も、V12エンジンを搭載する少量限定生産車のひとつだ。エッセンサSCV12は、ランボルギーニのモータースポーツ部門の「スクアドラ・コルセ」によって開発され、ランボルギーニのデザイン部門の「チェントロスティーレ」がデザインを手がけた。ランボルギーニによると、エッセンサSCV12は、『ミウラ・イオタ』や『ディアブロGTR』などのDNAを受け継ぐモデルになるという。

◆ランボルギーニ史上最強のV12エンジンは830hp

ハイライトは、ランボルギーニ史上最強のV12エンジンだ。自然吸気の6.5リットルV型12気筒ガソリンエンジンは、最大出力830hpを発生する。トランスミッションは、6速シーケンシャル「Xtrac」を組み合わせた。後輪駆動の軽量シャシーの構造要素として、シーケンシャル6速ギアボックスを組み込むことにより、重量を軽減して重量配分を最適化しているという。

また、アルミ製のフロントフレームとカーボンファイバー製モノコックによる構造が、最高レベルの安全性を追求する。新世代のカーボンファイバー製モノコックのおかげで、1.66hp/kgの優れたパワーウェイトレシオを実現した。ランボルギーニによると、エッセンサSCV12は、FIA(国際自動車連盟)のプロトタイプレーシングカーの安全規則を尊重するために開発された最初のGTレーシングカーになるという。

サーキットでも最大限の俊敏性と安定性を確保するために、プッシュロッド方式のリアサスペンションを採用した。ブレンボモータースポーツが開発したブレーキシステムを装備する。フロント19インチ、リア20インチのホイールは軽量なマグネシウム製で、タイヤは専用のピレリ製スリックを組み合わせる。

◆GT3レーシングカーよりも大きいダウンフォース

エアロダイナミクス性能は、V12エンジンのパフォーマンスを最大限に引き出すように設計されている。エアロダイナミクスには、ランボルギーニ スクアドラ コルセのGTレーシングカーのノウハウを導入した。ランボルギーニによると、GT3レーシングカーよりもダウンフォースレベルは大きく、250km/h走行時に1200kgのダウンフォースを獲得するという。

フロントフードには、『ウラカン』のレーシングカーと同様、センターリブ付きのダブルエアインテークが設けられ、ラジエーターからの熱い空気の流れを分離させ、冷たい空気をルーフのエアスクープに導く。フロントにはリップスポイラーを装備した。ボディサイドでは、サイドシルに垂直フィンを配置することにより、エンジンとトランスミッションの冷却性を引き上げている。リアには、大型で調整可能なダブルプロファイルのリアウィングが装着された。なお、エッセンサSCV12は、世界限定40台を生産する計画だ。

ランボルギーニは、このV型12気筒ガソリンエンジンを搭載する新型車2車種を、2021年内に初公開する予定だ。シアンFKP 37やエッセンサSCV12と同様、V12エンジンを積む少量限定生産車となる可能性がある。