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ベントレー ベンテイガ に新カスタムプログラム、組み合わせは数十億通り以上…欧州設定
ベントレーは3月4日、SUVの『ベンテイガ』(Bentley Bentayga)に、マリナーによる新しいカスタマイズプログラム、「パーソナルコミッショニングガイド」を欧州で設定すると発表した。
◆マリナーのルーツは1500年代の高級馬車メーカー
マリナーは、ベントレーの特別注文を手がける部門で、ベントレーの英国本社に在籍するエンジニアやデザイナーによる熟練チームで構成される。世界中の顧客の中でも、とくにこだわりの強い顧客の要望に応えることを目指している。
マリナーのルーツは1500年代に遡る。当初は高級な馬車を製造するメーカーだった。1923年に初めて、ベントレーのボディを架装。2シーターの『3リッターベントレー』が、英国ロンドンで開催されたオリンピアモーターショーに出展された。これは、ベントレー設立から1年後の出来事だった。
1953年には、マリナーの最高傑作のひとつとされる『R タイプ・コンチネンタル』のボディ架装を手がけた。『R タイプ』は『コンチネンタルGT』のデザインのルーツとなったモデル。1957年には、ベントレー『コンチネンタル』の車台をベースにした4ドアサルーン、『コンチネンタル・フライングスパー』を製作した。1959年、マリナーは正式にベントレーの傘下に入り、拠点をクルーに移した。
◆手作業でのクロスステッチを44時間かけて行う
パーソナルコミッショニングガイドは、ベントレーの顧客に伝統的なオプションと現代的なオプションの組み合わせを提供する。顧客は、特注のレザー、塗装されたベニヤ、パーソナライズされたインテリアステッチ、ツイードでトリミングされたドアインサートなどを選択できる。その組み合わせは、数十億通り以上という。
インテリアでは、27のハイドカラーとステッチカラーの幅広いラインナップから選択して、個性的なインテリアに仕上げることができる。名前やモチーフ、紋章を添えることも可能。シートとディープパイルのオーバーマットを刺繍したり、照明付きシルプレートに名前を追加したり、サテン仕上げの助手席パネルにパーソナライズされた文字や画像を入れることもできる。
マリナーは、シートパイピング、カーペットバインディング、ハンドクロスステッチなどのアクセントを用意している。ベンテイガの内装を手作業でクロスステッチするには、1人の職人で44時間かかる。糸は耐久性を重視しており、車両のモデルライフの間、その色を維持するために特別な染料を使用している。
アルカンターラをシートセンター、ヘッドレスト、ドアインサートにオプションであしらうこともできる。アルカンターラをステアリングホイールとシフトレバーに使うことも可能だ。ウェルカムランプは、ドアが開くと足元にオーナー好みのグラフィック、ロゴ、画像などを投影することができる。
◆内装のベニヤパネルをボディカラーと同じ色に塗装することも可能
マリナーは、ベンテイガのインテリアに幅広いベニヤオプションを用意している。伝統的な木製のクロスバンディングから、塗装されたベニヤ、現代的な石を使用したものまで、豊富にラインナップされている。
ベントレーの職人技により、ベンテイガにオプションとして「クロスバンディングインレイ」を導入する。クロスバンディングは、シルバーまたはゴールドカラーのマリナーオーバーレイを使用。ツゲの木に象眼細工を施したオーストラリア産のストレートグレインベニヤを使う。
マリナーでは、内装のベニヤパネルを、ボディカラーと同じ色に塗装することもできる。塗装されたベニヤには103のオプションがあり、顧客は自分の個性を反映したオーダーメイドのインテリアに仕上げることができる。
また、マリナーは、2億年以上前の石を利用して、厚さ0.1mmの軽量ベニヤを開発した。このストーンベニヤは、目に見える自然なオープンポアテクスチャを備えているという。オータムホワイト、カッパー、ギャラクシー、テラレッドの4つの異なる石の色が選択できる。
マリナーは、リキッドアンバー、ダークバーウォルナット、タモアッシュベニヤにオープンポアサテン仕上げを用意した。各層は手作業で塗布され、研磨され、ラッカーが木の自然な溝に確実に付着するようにする。その結果、ワックス仕上げのように、木材の自然な色と質感を表現できるという。
◆ツイード内装も選択できる
ドアトリムやシート、ヘッドレストなどに、ツイードを使用したツイード内装も選択できる。ツイードを導入するのは、高級車の生産において持続可能な素材をより多く使用するという取り組みの一環だ。これは、ベントレーの次なる100年の目標「Beyond100」戦略に沿ったものであり、持続可能なラグジュアリーモビリティのグローバルリーダーになることを目指している。
ベントレーがオプションで使用するツイードは、スコットランドのツイード生地メーカーの「Lovat MILL」(ラヴァット・ミル)から供給を受ける。スコティッシュボーダーズの町、ホーイックにあるこの工場は、ツイードが最も倫理的で環境に優しい方法で生産されるように配慮しているという。
Lovat MILLは、自然環境に影響を与えない乾式生産方式を導入している。AZO染料などの工業用化学物質ではなく、環境に配慮したレイピア織機で織られている。さらに、電力消費量の90%は再生可能エネルギーからで、排出量は少ない。従業員の多くが、徒歩圏内に住んでいるため、工場はCO2排出量を最小限に抑えられるという。