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「病院まで送って」自動運転タクシー呼び出しを音声で、損害保険ジャパンが実証実験を支援
損害保険ジャパンは、パーセプティン、マクニカおよびコトバデザインに協力し、「平城宮跡歴史公園スマートチャレンジ(平城宮跡PSC)」にて1月28日から31日まで実施される「音声によるマイクロ・ロボットタクシー Mopiの呼び出し」の社会実験に、自動運転リスクアセスメントおよび自動運転専用保険を提供する。
パーセプティンは、独自のソフトウェア技術によって、超低コストの自動運転ソリューションを活用したMopiを開発した。Mopiは地方の地域住民の生活交通や観光スポット間の移動手段として活用できる新コンセプトのマイクロモビリティ(短距離の移動手段)。自動運転の車両が安価であれば、高齢ドライバーによる事故や公共交通の衰退による交通弱者の増加といった社会課題を抱える地域でも、自動運転のモビリティサービスが導入可能となる。
平城宮跡PSCは、マイクロ・ロボットタクシーを活用した公園サービス充実を目的に、国土交通省の施策として、平城宮跡歴史公園(奈良県奈良市)で2019年より開始。昨年、パーセプティンはマクニカと共同で、来場者の回遊性の促進やアトラクションとしての集客力の検証および運用面や技術面の課題抽出を目的に自動運転のモビリティ実証実験を実施した。600人以上の公園来場者がMopiに試乗。そのアンケート結果により、社会実装に対する大きな期待が確認できた反面、いくつかの課題が明らかになった。
その一つは、Mopiのメインターゲットである高齢者にとって、スマートフォンのアプリでの呼び出し操作が難しいということ。そこで今回、コトバデザインが開発した「COTOBA Agentサービス」を用いて、対話エージェントとの自然な会話で、誰もが簡単に呼び出しができる仕組みを開発。指示を受けたMopiは、自動的にユーザーが待つ場所に向かう。
今回の実証実験では、平城宮跡歴史公園の朱雀門ひろば(朱雀大路)に、病院やスーパーや駅などの仮想のスポットを設定し会話端末を設置する。会話端末と会話をすることで、利用者が待つスポットにMopiが迎えに来る。利用者が乗車し、車内のタッチパネルで認証を行うと、Mopiは自動運転で指定した目的地に向かう。今回、先着順で「会話での呼び出し」と「自動運転車の試乗」の体験をしてもらい、利用者からアンケートを集める他、対話エージェントの認識精度についても検証する。
実証実験では、タジマEVの超小型モビリティ『タジマ・ジャイアン』にパーセプティンの自動運転システム「DragonFly」を実装した「macniCAR-01」を活用。損保ジャパンは、走行エリアのリスクアセスメントを実施することで事故を予防し、安心・安全な実証実験を支えるほか、自動運転車専用保険の提供をする。