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2050年の日産 GT-R、学生の卒業制作がフルサイズに…単なる自動運転EVではない

  • 《photo by Nissan》
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日産自動車(Nissan)の米国部門は12月17日、「2050年の『GT-R』」をテーマにした学生の作品、『GT-R(X)2050』を実物大のプロトタイプ化した、と発表した。

◆ドライバーの感情を反映できる自動運転車が目標

これは、米国カリフォルニア州の「アートセンターカレッジオブデザイン」に在学中のジェブム・チェ氏が、卒業作品としてデザインしたもの。カリフォルニア州のニッサンデザインアメリカにインターンとして働いていた縁もあり、同氏の卒業作品を日産が実物大モデル化した。

ジェブム・チェ氏の卒業作品は、2050年のGT-Rがテーマだ。今から30年後の2050年には、高度な自動運転が実用化されていると見られる。チェ氏は、2050年のGT-Rも自動運転化されていると想定するが、ドライバーの感情を反映することができる自動運転車として、「GT-R(X)2050」をデザインしたという。

チェ氏は、「2020年1月に日産でインターンシップを開始し、約2か月間、企業プロジェクトに参加した。その後、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染拡大により、自宅で仕事をしながら、ビジョンヒューマノイドと呼ばれるプロジェクトに着手した。日産がフルサイズモデルの製作を手伝ってくれるとは、想像もしていなかった」と振り返る。

◆コンパクト設計は服を着るように「車を着る」感覚を追求した結果

完成した実物大のプロトタイプは、全長2908mm、全幅1537mm、全高658mm、ホイールベース1756mm。ドライバーは、手足をX字型に伸ばした状態となり、腹ばい状態で乗り込む。ドライバーは、スーパーバイクのライダーを思わせる体にフィットするスーツとヘルメットを着用する。

GT-R(X)2050では、「ウェアラブルマシン」として、人間の脳をコンピューターに接続する。これにより、通常の自動運転車よりも優れたパフォーマンスを追求する。車両は人体の形に似ているため、脳を効果的に保護できるという。チェ氏は、「服を着るかのように、車をできるだけ人体のサイズに合わせようとした。乗り物ではなく、機械と人間がひとつになる空間、新しい形の機械を作りたかった」と、GT-R(X)2050をコンパクトサイズにした理由を明かす。

◆現行のGT-Rから着想を得たデザイン

この未来的なプロジェクトは、現行の日産GT-Rからヒントを得ている。大胆でドラマチックなボディラインやVモーションデザインなどだ。また、GT-Rの伝統の丸型テールライトと、『GT-R NISMO』の赤い縞模様のアクセントが配された。ダウンフォースを得るアクティブウイングも装備した。このウイングは格納式として、ドライバーの乗降性に配慮している。

パワートレインはEVで、高出力モーターを搭載する。一体成形されたホイールとタイヤは、正方形に近い形状となっており、車両は360度の方向に進める。タイヤサイズは21インチ。ホイールのスポークパターンは、過酷なブレーキング中でも、ホイールが急速に冷えるようにデザインされている。

ドライバーは、GT-Rスタイルのヘルメットと「ドッキングスーツ」を着用する。車両に乗り込むと、ヘルメットがフロントのカメラと接続され、VRビジョンを共有する。ドライバーの脳からデジタル化された信号が送られ、車両がドライバーの意思を反映させながら、自動運転を行う。

◆日産は脳波を測定して運転を支援する技術を研究開発中

日産は、脳波を測定することによって運転を支援する技術、 「Brain-to-Vehicle」の研究開発を進めている。この技術は、ドライバーがステアリングを回す、アクセルペダルを踏むなどの操作をする直前に、脳の行動準備電位を検出し、ドライバーが操作を開始する前からシステムが操作を開始することで、ドライバーの反応の遅れをカバーし、ドライバーが思い通りの運転をできるようサポートするものだ。

また、Brain-to-Vehicle技術は自動運転時、脳波からドライバーの違和感を検出し、ドライバーが違和感を持たない自然な制御の自動運転にカスタマイズすることを可能にする。例えば、前方との車間距離が近すぎると感じた場合、この技術はその瞬間の脳波を分析し、その人にとって最適な車間距離を維持するよう、自動運転をカスタマイズしてくれる。

日産は、脳と車両の統合によって推進される将来のスーパーカーに関する彼のアイデアは、Brain-to-Vehicleの分野における日産の高度な研究開発と一致するもの、としている。