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【スズキ ソリオ 新型】上質でダイナミックなデザインに進化

  • 《写真提供 スズキ》
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スズキは小型ハイトワゴンの『ソリオ』と、『ソリオバンディット』を5年ぶりにフルモデルチェンジした。そのエクステリアは上質でダイナミックに、インテリアは立体感や広がりを重視してデザインされたという。

◆スイフトと並ぶ小型車の柱

2011年に国内専用の戦略モデルとして両側スライドドアを採用し、それまでなかったコンパクトボディと広い室内空間とを両立したワゴンとして投入したのがソリオである。そこに加え、ハイブリッドシステムを搭載することで低燃費と力強い走り、安全装備の充実を図り、商品を進化させ続けた結果、「コンパクトハイトワゴンのパイオニアとして、新しい市場を生み出した」と評価するのは、スズキ代表取締役社長の鈴木俊宏氏だ。

ソリオは販売面でも非常に安定しており月平均3500台以上の販売を続けているという。スズキは2016年度から4年連続で国内登録車販売台数10万台を続けており、世界戦略車である『スイフト』と並ぶ、小型車の柱として位置づけられている重要車種だ。

コロナ禍により今年度の登録車販売台数は4~9月で4万7000台と、「厳しい状況」だが、この新型ソリオで挽回し、2020年度も「年間10万台以上の登録車販売を目指したい」と意気込みを語った。

鈴木社長は、「いままで培ってきたソリオの良さをいっそう磨き上げ、広さと快適性、安全性を始めとして全方位に渡って大きな進化を遂げた。我々の小型車ラインナップ上、大変重要な車種である新型ソリオは、競争が激しくなってきたコンパクトハイトワゴン市場に、スズキが満を持して投入する自信作であり、多くのお客様からご支持いただけると確信している」と述べた。

◆流入以外に基盤ユーザーもターゲット

スズキ商品・原価企画本部四輪商品第一部新型ソリオ新型ソリオバンディットチーフエンジニアの永田和夫氏も、初代ソリオは、「コンパクトでありながら広いという特徴を生かし、新たな市場を切り開いた」と評価。そしてその特徴はそのままに、両側スライドドアを備えた2代目、さらにマイルドハイブリッドや新プラットホームであるハーテクトを採用した3代目へ進化。「コンパクトハイトワゴンの先駆者としてモデルチェンジを重ねるごとに、お客様からの支持も着実に増えている」とし、「いまでは当社で最も売れている小型車であり、保有台数も増え続けている」という。

この現状を踏まえ、今回のモデルチェンジで開発の初めに行ったことは、「お客様の声に耳を傾け、実際にお客様に接している販売店様や販売現場のスタッフの声に耳を傾けることだった」と永田氏。その結果、「主にファミリー層の方々から後席を快適にしてほしい、荷室を大きくしてほしい、安全装備を充実してほしい」という声が挙がった。

そこで商品コンセプトを、「コンパクトハイトワゴン市場開拓者として、お客様のニーズに応え、高い安全性を有する新型ソリオ」とした。

そのターゲットユーザーは、ソリオは、「本来の良さであるコンパクトで広く使いやすい特徴に魅力を感じてもらえる方、またデザインも普遍的で幅広く受け入れられるもので、合理的なモノを求めるお客様に向けて提案」。ソリオバンディットはソリオの特徴に加え、「キャラクターが立っているデザインに魅力を感じてもらい、個性を大事にするお客様に提案する」と述べた。

また、スズキ取締役常務役員国内営業本部国内第一営業本部長の鈴木敏明氏は、ソリオは「30代から40代が中心で、主に運転される方の6割が男性だ」とユーザー層を説明。また、「軽自動車、リッターカークラスのコンパクトカー、そしてその上のクラスのミニバンからダウンサイジングによる代替えが中心。他社から乗り換えが約7割に達している」と述べ、「ソリオがコンパクトハイトワゴンという新しい市場をコツコツと開拓してきた結果だ」と分析。そして新型では、「これまで獲得してきた様々なクラス、カテゴリーからのお乗り換えに加え、現在のソリオユーザー、代替えを勧めることで、よりソリオの拡販を進めていきたい」と抱負を語った。

◆フードを上げて

さて、新型ソリオは、「上質でダイナミックなデザインに進化した」と関係者はコメントする。エクステリアの特徴は、「フード先端を45mm(バンディットは25mm)上げることで、フロント周りの厚みを増し、強い存在感を表現。全長を80mm延長したことに加え、動きのあるラインを用いて伸びやかなイメージを演出。ダイナミックなフォルムと機能性を高次元で両立している」と説明。一方、「圧倒的な存在感を放つ」新型ソリオバンディットは、「上がポジションランプ、下がヘッドランプというレイアウトのヘッドランプ形状は、二段構えの独創的なデザインだ。これらにより上質かつ個性あるスタイルに進化した」という。

インテリアは、上下2本の(左右エアアウトレット上部付近と助手席前の大型トレイ下部付近を左右に通っている)基本骨格により、安定感やボディーサイズ以上の広がりを表現。全体としては、「リビングのような心地よさを演出。ネイビーとホワイトを基調としたデザインで洗練された空間を表現した。立体的な表面処理を施したドアトリムなどで上質さや充実感を表している」とのこと。ソリオバンディットは、「ボルドーとブラックを基調とした上質なインテリアは、同様にブラック&ボルドー柄のシートで深みを表現するなど、大人のこだわりを感じる空間を演出している」と話す。

◆使い勝手も向上

今回、全長を80mm、全幅を20mm拡大。特に全長を伸ばしたことで居住空間に加え、ネガティブポイントであった荷室空間を拡大。具体的には荷室床面長は100mm大きくなった(550mm、シートをスライドさせて最大715mm)。後席を一番前までスライドさせなくてもスーツケースを5つ積むことが出来、「たくさん荷物を積んでも後席の足元スペースには余裕がある」とのことだ。

また、後席乗員の肩周りのスペースを20mm、上下左右のヘッドクリアランスも5mmずつ拡大したことで、「ドライブをより楽しめる後席になった」と述べる。一方、室内をはじめ全長も拡大したにも関わらず、最小回転半径4.8mは維持している。

使い勝手に関しても、視界やメーターの視認性の良さなどを向上。ドアミラーの高さを抑え、取り付け位置を下げることでミラーによる死角を減らし、より良好な運転視界を確保。またセンターメーターはドライバーに向けてレイアウトしているので、「視認性をいっそう向上させている」。また、後席にはワンアクションパワースライドドアを採用。予約ロック機能を追加し、パワースライドドアを閉めている途中に、携帯リモコンでドアロックの予約が可能になったことで、「ドアが閉まり切るのを待たずにロック操作が出来るので降りた後の行動もスムーズになった」と話す。

関係者によると、「ドライブにショッピングにレジャーに様々なシーンで活躍できるように、空間アレンジの自由さにもこだわった」という。例えば席を移動しやすいセンターウォークスルーは、ドライバーがスライドドアから入って後席に子供を乗せてからそのまま運転席に着くことが可能になった。収納を数多く用意しているほか、助手席の前にはUSB電源ソケット2個とアクセサリーソケットを用意。荷室側面にあったアクセサリーソケットを後席右側面に移動し、後席乗員の利便性を向上させている。

さらに薄型デザインのスリムサーキュレーターをスズキ小型車として初採用。空気を循環させることで室内全体の温度を均一化させることで、「夏は涼しく冬は暖かい快適な居住空間を実現」。運転席助手席シートヒーターを2WD車にも設定。「寒い季節のドライブも快適だ。その他、乗る人全てが車内で快適に過ごせる機能や装備が充実している」と述べる。

これらのことから永田氏は、「お客様のニーズに応え、全方位で進化させた。ぜひ家族、友人と共に楽しいドライブを通じて、その進化を実感してほしい」と語った。